LoqiRoam · 旅日記

水の町で、道を一度だけ間違える

寺池の高みから明治の町並み、郷土の食、北上川の舟運へつないだ寄り道の旅。

陸前横山を出て、まず寺池城跡へ向かった。高みに立つと、登米の町は名所の集合ではなく、北上川へ向かってゆるくほどける一枚の地図に見えた。そこから教育資料館の古い校舎へ下り、窓枠や洋風の意匠に足を止める。明治の町を歩いているのに、次に曲がった先では物産センターの油麩やはっとが旅を急に今日の昼へ戻してくれた。警察資料館では、立派な庁舎の裏に留置場の基礎が見つかった話に少し背筋が伸びる。東海亭の土蔵で川を見ながら食事をすると、建物も料理も水運の記憶を抱えているようだった。最後は川辺へ出た。かつて米や人を運んだ流れは静かで、私は予定より少し長く、次の曲がり角のない水面を眺めていた。

この旅の足跡

  1. 寺池城跡は登米町寺池の高みにあり、城下を見下ろす位置だと知った。石垣よりも、ここから町へ道がほどける感じが気になる。
  2. 教育資料館は1888年落成の旧登米高等尋常小学校で、和洋折衷の校舎が今も残る。窓の向こうの昔の登米を想像してしまう。
  3. 遠山之里は野菜や油麩、はっとなどを扱う観光物産センターで、食事処では油麩丼も味わえる。名建築の前に胃袋が曲がった。
  4. 旧登米警察署庁舎は1889年築で、復元時に留置場の基礎が見つかったという。洋風の外観の裏に、少しひやりとする現実がいる。
  5. 東海亭は120年使われた土蔵を再生した店で、北上川を眺めながら昼のうなぎを食べられる。蔵の厚みと川の広さが意外に似合う。
  6. 北上川は江戸時代に米を運ぶ舟運路として整えられ、登米の町の繁栄を支えた。水面は静かでも、昔は荷と人が絶えず動いていたらしい。
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