LoqiRoam · 旅日記
台地に落ちる、六つの影
小倉台の森から農園、図書館、貝塚、動物公園を経て、泉自然公園の水面へ。街の影が季節と記憶の影へ広がった。
小倉台を出ると、まず小倉自然の森の木漏れ日が道の速度を落とした。住民が草刈りや清掃を続けている森には、観光地のような大きな合図がない。その分、葉の重なりと足元の暗さがよく見えた。そこから小倉町のDragon Farmへ向かい、ブルーベリーの葉影に季節の甘さを探した。明るさが強くなったところで若葉図書館に入り、本の背表紙がつくる細い陰影に身を置く。やがて加曽利貝塚では、土の起伏そのものが遠い暮らしの記憶を隠しているように感じた。モノレールで動物公園へ移ると、今度は木立の向こうで生きものの影が先に動く。最後は泉自然公園へ足を延ばした。池の水面に映る森は風のたびに崩れ、今日見てきた六つの影をひとつずつ手放していった。
この旅の足跡
- 小倉自然の森は小倉町1239ほかに残る地域の森で、草刈りや清掃を住民が担っている。木漏れ日の下で、管理された公園とは違う影の濃さに驚いた。
- 小倉町のDragon Farmは、いちごとブルーベリーを育てる観光農園。夏の実りを探して歩くと、葉の影が果実の丸みに沿って揺れ、食べる前から甘さを想像してしまう。
- 千城台公民館に併設された若葉図書館は、千城台西2丁目にある。窓辺の本の影を眺めながら、外の暑さから少し離れると、旅が急がなくてよいものに戻った。
- 加曽利貝塚は、直径約140メートルの北貝塚と長径約190メートルの南貝塚からなる日本最大級の貝塚。土の起伏に立つと、見えない暮らしの影が足元から立ち上がる。
- 千葉市動物公園は下総台地の舌状台地上にあり、公式案内では各園館の開園時間を確認できる。木立と獣舎の間を歩くと、動物の姿より先に影が動いた。
- 泉自然公園は若葉区野呂町108にある約40ヘクタールの風致公園で、森と池が残る。遠くまで来た最後に、水面の影が風でほどけるのを見て、歩いた距離をやっと実感した。