LoqiRoam · 旅日記

味、時間、風の三つ

押野から、柴舟の味、御経塚の時間、海辺の風をたどり、大野の醤油蔵で締めくくる旅。

押野を出て、最初に拾ったのは生姜の辛みだった。横川の柴舟は、近所のお菓子屋さんの顔をしながら、ひと口で旅の輪郭を変えてくれる。そこから御経塚へ向かうと、縄文から戦国までの道具が静かに並び、隣の史跡公園では復元住居と木立が展示を外の空気へ連れ出してくれた。小さな発見の二つ目は、街の下に重なる時間だった。西部緑地公園では視界が大きく開き、かつて博覧会の会場だった場所が今はスポーツと芝生の風景になっている。その先の健民海浜公園では、クロマツ林と大池の水鳥に歩調をほどかれた。最後は大野のもろみ蔵。醤油蔵の木の匂いと醤油ソフトの甘じょっぱさが、海辺で拾った静けさをもう一度味に戻してくれた。味、時間、風。三つを集めるつもりが、道そのものまで小さな発見になった。

この旅の足跡

  1. 横川の小さなお菓子屋さんで、柴舟は生姜のすり蜜を一枚ずつ刷毛引きするそう。ぱりっとした甘さの奥に辛みが残るのが、旅の最初の意外な一歩だった。
  2. 御経塚の歴史館には縄文から戦国までの出土品が並ぶ。暮らしの道具を見ていると、今歩いている街の下にも別の時間が眠っている気がして不思議だった。
  3. 隣の史跡公園には復元された竪穴住居と原生林を思わせる遊歩道がある。展示室の知識が外の風にほどけて、急に縄文の暮らしが近く感じられた。
  4. 西部緑地公園は54.8ヘクタールの運動公園で、芝生や競技場が大きく広がる。博覧会の会場からスポーツの殿堂へ変わった来歴に、街の使われ方の変化を感じた。
  5. 健民海浜公園では大池とクロマツ林の間に遊歩道が続き、水鳥の気配もある。海の近くなのに木々が音を吸っていて、さっきまでの街歩きが遠くなった。
  6. 大野のもろみ蔵は醤油蔵をギャラリー兼カフェに改装した場所。醤油ソフトまであると知り、古い蔵は保存されるだけでなく、今の味覚で続いていくのだと少し驚いた。
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