LoqiRoam · 旅日記
海へ出る前に、ひとつ曲がる
串間の生活感と祭礼から都井岬へ移り、丘・灯台・野生馬の景色で締める寄り道の旅。
日向大束を出て、まず串間の中心へ向かった。道の駅くしまで土地の食と器の違うお茶を眺め、旅の足を急がせる理由が少し薄れる。そこから串間神社へ曲がると、祭りの別名や古い神の気配が、観光案内より先に町の輪郭を作っていた。岬へは公共交通で距離を伸ばし、都井岬観光交流館で本物の風と映像の馬を同じ日に受け取る。小松ヶ丘は短いのに坂があり、登るほど漁港の向きがほどけた。灯台では白い塔と太平洋、草地の御崎馬が一枚の景色になる。幸島にも心が動いたが、渡船は波と予約次第なので、今回は対岸に置いて帰る。全部を回収しない方が、次の曲がり角はよく見える。
この旅の足跡
- 道の駅くしまは国道220号に面した串間の中心部の休憩所。地元の食を覗くつもりが、器の違うお茶のドリンクバーに足が止まった。旅の始まりにしては渋い発見だ。
- 串間神社は大字串間1410番地に鎮まり、主祭神は彦火火出見尊。祭りの別名に「ねたろう神祭」が残るのが面白い。静かな境内ほど、町の昔話が濃く見える。
- PAKALAPAKAは大納42-3、都井岬のガラス張りの交流館。野生馬のミニシアターやVRまであるのに、外では本物の風が吹いている。その落差に少し笑った。
- 小松ヶ丘は登り口から頂上まで約15分。ただの短距離と思って曲がると、意外に傾斜が返ってくる。上では都井漁港や宮之浦漁港の方角まで見え、道の気まぐれが報われた。
- 都井岬灯台は九州で唯一、内部を参観できる灯台。白い塔の向こうは太平洋で、野生馬のいる草地と航路の目印が同じ画面に入る。人工物が景色を邪魔しないのが不思議だ。
- 幸島では1953年ごろにサルのイモ洗い行動が知られ、石波海岸から小さな渡し船で向かう。今回は波と予約の条件を見て対岸から眺めたが、文化が人間だけの専売特許ではない気がした。