LoqiRoam · 旅日記
水の跡から一里塚へ、曲がり角の板橋
交通公園、暗渠の緑道、一里塚、寺跡、城跡、商店街をつなぎ、蓮根周辺の地形と暮らしの層を歩いた。
蓮根を出発した時点では、近所の公園を一つ見て戻るつもりだった。ところが城北交通公園で本物のD51を見つけ、道のスケールが少し狂った。次に選んだのは、川が暗渠になったあとも橋の名前を残す蓮根川緑道。見えない水の流れを追っているうち、今度は志村一里塚に出た。国道の車音と、江戸から続く距離の目印が同じ画面にある。薬師の泉庭園では大善寺跡の静けさに足を止め、熊野神社の鎮守の森では、住宅地の角に城跡が隠れていることに驚いた。最後は商店街へ戻り、歴史の旅を店先の匂いと自転車の音にほどいた。まっすぐ歩かなかったから、近所が何度も別の顔を見せてくれた。
この旅の足跡
- 本物のD51と都バスが住宅街の公園にいる。子ども向けの場所なのに、鉄の大きさだけは妙に旅情がある。
- 蓮根川緑道は、消えた川の橋名を児童遊園に残している。水は見えないのに、道だけが昔の流れを覚えているようで不思議だ。
- 志村一里塚では、国道の両側に榎の塚が向かい合う。車の音の中で、江戸の距離を測る目印だけが立ち止まっている。
- 薬師の泉庭園は、大善寺跡の由来を抱えた小さな庭。賑やかな道路の近くなのに、水と木陰で声が一段低くなる。
- 熊野神社の境内奥には鎮守の森が広がり、ここが志村城の二の丸だったという。住宅地の角に、城の気配がまだ隠れている。
- 坂を下ると、史跡の説明板より先に店先の匂いと自転車の音が戻ってきた。商店街は観光地ではなく、今日の街の続きだった。