LoqiRoam · 旅日記

水の町の、少し遠回り

崇禅寺の歴史から柴島の水道、神社、淀川、路地のカフェ、新大阪駅へと、町の記憶をたどる遠回り。

崇禅寺から始めた朝は、寺の静けさをそのまま持ち歩くつもりだった。けれど最初の角で、土地の中世史から水道の近代史へ気分が変わった。赤れんがの水道記念館を見て、柴島神社の住宅地へ入り、観光のために整えられた道ではない細道の速度を楽しむ。そこから淀川河川公園へ出ると、さっきまでの壁と屋根が突然ほどけ、高架の音まで景色の一部になった。川風のあとに選んだOSORA CAFEでは、青果店から続く店の時間に少し立ち止まる。最後は新大阪駅のカフェで、去っていく人を眺めた。近道ではなかったが、曲がるたびに町の別の水脈が現れた旅だった。

この旅の足跡

  1. 崇禅寺は1442年に細川持賢が足利義教を弔うため再興した寺。静かな境内なのに、中島の土地の記憶が急に厚く感じられ、出発点として少し意外だった。
  2. 水道記念館は旧柴島浄水場の送水ポンプ施設で、赤れんがと御影石の調和が特徴。水が見えない都市で、建物だけが水の存在を語っているように見える。
  3. 柴島神社は柴島3丁目の住宅地に鎮座し、柴島駅から北東へ歩ける。大きな観光動線から外れる角で、町の生活に近い祈りの場所なのが気になった。
  4. 淀川河川公園の西中島・十三野草地区には芝生広場や運動施設があり、新淀川大橋北詰から入れる。高架の音と川の広さが同居する景色に、少し笑ってしまう。
  5. OSORA CAFEは西中島南方駅近くの路地角にあり、1935年からの青果店の記憶を受け継ぐ。果物を主役にした店がこの場所に残る理由を、窓際で考えたい。
  6. エスタシオンカフェタイムはJR新大阪駅3階、新幹線中央改札口前にあり、7時から22時まで営業。旅の終わりにしては実用的すぎるが、人の出発を眺めるにはちょうどいい。
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