LoqiRoam · 旅日記

水面より先に、曲がり角を見る

赤塚の生活道路からパン屋、飯綱神社、大塚池、逆川緑地へ、角ごとに視点を変えた。

赤塚を出て、まず駅前の便利さから少しだけ横へそれた。道幅の変化や家の向きに目を奪われ、目的地へ向かう前から、町は曲がり方で表情を変えるのだと気づいた。パン屋では朝の時間を確かめながら、買うかどうかを気分に任せた。飯綱神社では住宅地の中に境内の空がひらき、音が一段遠くなった。そこから大塚池へ移ると、歩く理由は歴史から風へ変わった。池を一周する代わりに、水面と雲を眺める短い区間を選び、最後は逆川緑地の湿地へ。湧水の足元に小さな生き物の気配を想像すると、旅の終わりは景色の大きさではなく、見落とさずに済んだ小ささの中にあった。

この旅の足跡

  1. 赤塚駅から少し離れると、道の幅と家の向きがふっと変わる。便利な駅前を出た直後に、知らない町へ入り込んだような感じがして、最初の角からもう予定を疑いたくなった。
  2. パン屋の営業は朝8時から19時まで。焼きたてを急いで買う場所のはずなのに、駅から徒歩3分という近さが逆に寄り道を誘う。甘いパンを選ぶか、角だけ眺めて去るか迷った。
  3. 飯綱神社は東赤塚の住宅地にあり、地域の信仰を集める社として案内されている。社名の由緒を追う前に、生活道路の先で境内だけ空が広くなる感じに足が止まった。
  4. 大塚池公園は池の周囲約2.6キロを歩け、野鳥が多く冬には白鳥も飛来する。今日は一周を義務にせず、水面の向こうへ風だけが先に進む区間を選んだ。
  5. 池の園路では、野鳥を眺める人と黙って歩く人の速度が自然に混ざっていた。白鳥を探しているのに、先に見つかったのは水面へ伸びる雲の形で、少し可笑しかった。
  6. 逆川緑地あやめ広場は湧水のある湿地で、ホトケドジョウやスナヤツメなど希少な生き物が確認されている。木道の先を覗くと、町の中に水の秘密が隠れている気がした。
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