LoqiRoam · 旅日記

看板の角を曲がって、赤塚の奥行きへ

成増の商店街を入口に、赤塚の参道、寺、城址、池、竹林、植物園をめぐり、道の表情の変化を味わった。

成増では、まず商店街の看板を眺めた。店の名前や色の違いが、地図にない小さな方向指示のように見える。通りを抜けて赤塚氷川神社へ向かうと、並木のある長い参道が街の速度をゆるめてくれた。そこから乗蓮寺の門をくぐり、高さのある東京大仏に出会う。大きな像のあとで赤塚城址へ進むと、今度は建物がなく、土の起伏だけが昔を語っていた。溜池公園では水面のそばで一度立ち止まり、竹の子公園では葉擦れの音に耳を澄ます。最後の植物園では、園路を縫う木々や野草を見て、名前を覚えるより先に光の変化を追っていた。駅から始まった散歩が、最後には看板のない緑の細部へ着地した。

この旅の足跡

  1. 成増スキップ村は、店先の看板が通りの曲がり角ごとに表情を変える。名前どおり軽く歩けるのに、古い文字と新しい色の隣り合いが気になった。
  2. 赤塚氷川神社は長い参道の並木が印象的で、鳥居の脇には小さな富士塚もある。住宅地の中で道だけが昔の幅を保っているように見えた。
  3. 乗蓮寺の東京大仏は高さ13メートルの青銅製。境内に入ると数字の大きさより、住宅地の先に突然ひらける静けさのほうが驚きだった。
  4. 赤塚城址は小高い丘の上の公園で、城の建物はないのに土の起伏が道の進み方を変える。見えない本丸を想像しながら歩くのが面白い。
  5. 赤塚溜池公園には約200本の梅が植えられ、池の周りに水面と木立が残る。季節外れでも、昔の農業用水の名残を感じて足が止まった。
  6. 竹の子公園の竹林脇には説明板があり、風が葉をこすって文字を読む速度まで遅くする。名所というより、道の音が主役になる小さな転換点だった。
  7. 赤塚植物園は里山の木々や野草を園路で縫うように見られる。名前を探していたのに、最後は名札のない葉の重なりと光のほうに惹かれていた。
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