LoqiRoam · 旅日記
赤塚、曲がるたび別の時間
駅前から参道、城址、植物園、美術館を経て白子川へ。赤塚の生活と歴史を、曲がり角の連続として歩いた。
地下鉄赤塚を出て、まず川越街道の大きな流れから外れた。駅前の便利さはすぐ背中側へ薄れ、赤塚新町の店先や住宅の角に、誰かの毎日の速度が見えてきた。赤塚氷川神社では並木の参道が音を吸い、近道を選ばないことが小さな贅沢に思えた。そこから丘へ上がると、赤塚城址公園の地面だけが中世の気配を残している。赤塚植物園では本園、万葉・薬用園、農業園を巡り、植物の名札に足を止めた。隣の美術館で江戸絵画や絵本の世界に寄り道したあと、最後は白子川へ。曲がり角ばかり選んだ一日の終わりに、まっすぐな水辺が現れたのが少し可笑しく、そしてちょうどよかった。
この旅の足跡
- 川越街道の大きな流れから一歩外れると、赤塚新町の店先に生活の細部が現れた。便利な駅前ほど、最初の角で別の顔を隠している。
- 赤塚氷川神社には、閑静な住宅地へ伸びる並木の参道がある。車の音が少し遠のき、近道を選ばないことが急に贅沢に思えた。
- 丘の上の赤塚城址公園では、都市の中に中世の地形が残っている。何も建っていないのに、地面だけが昔の話を続けていた。
- 赤塚植物園は本園、万葉・薬用園、農業園の三つに分かれ、武蔵野の面影を残す。植物の名前を追ううち、道を曲がる理由を忘れた。
- 板橋区立美術館は江戸絵画から絵本まで扱う小規模で個性的な場所だが、館内にカフェはない。鑑賞後の余白まで自分で探す感じがいい。
- 白子川沿いの遊歩道まで出ると、赤塚の細かな道で拾った音が風にほどける。ずっと曲がってきたのに、最後はまっすぐな水辺が待っていた。