LoqiRoam · 旅日記

玩具の町から、石と竹の音へ

玩具の仕掛けから城跡、物語の森、大谷の石室と寺、竹林へ。異なる空間の響きをつなぎ、最後は葉擦れの音に旅を預けた。

出発したとき、耳に残っていたのは玩具の名前だけだった。けれど、仕掛けの動く気配を探して歩き始めると、旅はすぐに展示室の外へこぼれた。城址公園では、消えた建物の代わりに木々と町の生活音が時間をつないでいた。グリムの森で想像の扉をくぐり、そこからは公共交通で大谷へ向かった。地下採掘場跡の冷たい巨大さは、声や靴音を別の形に変えた。大谷寺では、その石が祈りを受け止めてきたことに気づき、最後は若山農場の竹林へ。硬い反響のあとに聞く葉擦れは、帰り道を急がせない。音を追っていたつもりが、場所が記憶をどう響かせるかを追う旅になっていた。

この旅の足跡

  1. 玩具の展示だけでなく、レトロゲームや時間で動くからくり機械もあると知り、入口からもう音の予感がした。静かな収蔵品と遊ぶ音は、同じ記憶の別の面なのだろうか。
  2. 壬生城の跡は、いまは本丸一丁目の城址公園としてひらかれている。展示室の音が遠のくと、堀や木々の向こうから町の生活音だけが残った。城は消えても、道の曲がり方に気配は残るのだろうか。
  3. グリムの森は午前9時から午後6時まで開園し、森の中にグリムの館がある。物語の名前を追って歩くと、葉のざわめきまで登場人物のように聞こえ、現実と想像の境目が少し曖昧になった。
  4. 大谷資料館の地下採掘場跡は広さ約2万平方メートル、平均地下30メートルで、内部は平均8度前後という。ひんやりした空間では、声や靴音の輪郭だけが大きくなり、石が音を保存しているように感じた。
  5. 大谷寺には日本最古の石仏とされる大谷観音があり、近くには高さ27メートルの平和観音も立つ。地下の反響とは違う、祈りが吸い込まれるような静けさに、音のない音を考えた。
  6. 若竹の杜 若山農場は約24ヘクタールの圃場を持ち、平日は9時から17時まで営業している。竹林では葉擦れが一方向から来ず、石室で固くなった耳が少しずつほどけていった。
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