LoqiRoam · 旅日記

黒磯、川の手前で道を変える

駅前の文化施設と大正建築から公園、河畔、旧奥州街道へ。雨雲を避けながら、黒磯の現在と古い道の記憶をつないだ。

黒磯では、駅を起点にしても駅だけを見ないことにした。まず西口前のみるるで本の気配に入り、くるるで地域の活動へ少し寄り道する。そこから本町の角を曲がると、大正7年の旧黒磯銀行本店を使ったカフェ・ド・グランボワが現れた。芦野石と大谷石の重たい外観に、食事の匂いが重なるのは妙にいい。午後は黒磯公園へ逃げ、桜の名所が夏の緑へ変わる瞬間を見た。ふれあい橋から那珂川河畔へ抜けると、天気のよい日に見えるという那須連山は雲の中。それでも川面の明るさが残った。最後は予定を少し外して東へ向かい、鍋掛宿と越堀宿へ続く旧奥州街道を思い浮かべる。雨の予報があるからこそ、屋内、石、木、水、古い道の順にした。名所を集めたというより、街の表情が変わる角を拾った旅だった。

この旅の足跡

  1. 駅前なのに、みるるは本をしまう箱というより、黒磯の人が立ち止まる明るい通り道に見えた。火曜から金曜は夜9時まで開いているのも意外だった。
  2. くるるは本町6-32にある交流センターで、講座や展示、自転車レンタルまで受け止める場所らしい。駅前の新しさが、観光より生活に近くて少し好きだ。
  3. 正面が芦野石、側面が大谷石という大正7年の旧黒磯銀行本店。カフェ・ド・グランボワとして使われ、重い石の建物からオムライスの気配がするのが面白い。
  4. 黒磯公園には桜約240本とカタクリの群生地があり、ふれあい橋付近では那珂川と那須連山を一緒に眺められる。夏の木陰は、春の名所の別の顔だ。
  5. 那珂川河畔公園は黒磯365-1付近の河川沿いにあり、芝生と水辺の広がりへ抜けられる。橋から見えるはずの山が雲に消える日も、川の明るさは残る。
  6. 鍋掛宿と越堀宿は旧奥州街道で那珂川をはさんで向き合った宿場町。芭蕉の句碑も残ると知り、駅前の整った道より、川を越えて続く古い道の方へ行きたくなった。
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