LoqiRoam · 旅日記

池の角、竹林の角、街の角

牧野ケ池と明徳池から猪高緑地へ入り、長久手の歴史を経て藤が丘で休んだ。

上社を出たとき、目的地は決めなかった。まず駅前の流れから外れ、牧野ケ池の水面が見える方向へ歩いた。大きな池と木陰の広がりで、街は思ったより簡単に速度を落とす。次に明徳公園へ寄ると、釣り池の静けさが生活の一部として残っていた。そこから猪高緑地へ入り、塚ノ杁池、竹林、雑木林の順に景色が細くなる。木道では足音まで道に預けた。気分を変えたくなって長久手古戦場公園へ向かうと、塚と記念館が、同じ地面に積もった時間を見せてくれた。最後は藤が丘の高架下へ戻り、看板と食べ物の匂いに引かれて歩いた。終着には電源のある小さなカフェを選んだ。曲がり角を選ぶ旅のはずが、最後には曲がり角のほうから休めと言われた気がする。

この旅の足跡

  1. 牧野ケ池緑地は約147ヘクタール、池の周囲は3キロ。街の近くなのに水面と木陰が広がり、最初の角でこんな余白に出るとは少し意外だった。
  2. 明徳公園の明徳池は市民の釣り池で、林の中に水面が隠れている。観光地らしい華やかさより、誰かの日常にそっと混ざる感じが気に入った。
  3. 猪高緑地には3.2ヘクタールの塚ノ杁池や竹林、雑木林が残る。木道の先で街の音が薄まり、名古屋の中に里山が折りたたまれているようで驚いた。
  4. 長久手古戦場公園には池田恒興・元助親子の塚と、戦いを映像や展示で伝える記念館がある。芝生の向こうの住宅を眺めると、昔の戦場が今の暮らしに重なった。
  5. 藤が丘の高架下には麺類店や個人商店が集まり、緑地とは別の名東の顔が現れる。歩き終わるつもりが、看板の向きひとつでまた曲がりたくなった。
  6. 藤が丘のセルフカフェはWi-Fiと電源を備え、駅近くでひと息つける。最後まで気まぐれに歩いたので、無人の静かな席が妙にちょうどよく感じられた。
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