LoqiRoam · 旅日記

曲がり角を選び続けた琴似

神社と屯田兵屋の歴史から商店街、水辺、夜の路地へ。琴似の輪郭を曲がり角ごとに読み替えた。

琴似駅を出たときは、商店と人の流れがつくる分かりやすい街を歩くつもりだった。けれど最初の曲がり角で琴似神社の境内に入り、駅前の速度が変わった。屯田兵村兵屋跡では、明治の兵屋を前にして、いま足元にある道を雪景色へ重ねてみる。そこから琴似栄町通へ戻ると、歴史の静けさとは反対に、買い物と食事の気配が通りを押し広げていた。少し疲れたところで発寒河畔公園へ逃げ込み、琴似発寒川のそばで空を広げる。終わりは大きな名所ではなく、住宅の塀と飲食店の灯りが近い路地。予定外の角を選び続けた結果、琴似はひとつの駅名ではなく、重なった時間として残った。

この旅の足跡

  1. 琴似神社は明治8年、最初の屯田兵として入植した人々に由来する。広い境内に入ると、駅前の音が少し遠くなり、旅の始まりが急に古くなった。
  2. 琴似屯田兵村兵屋跡は明治7年に建てられた北海道最初の屯田兵村の兵屋跡で、9時から16時まで内部を見られる。雪の中の暮らしを想像した。
  3. 琴似栄町通はJR琴似駅と地下鉄琴似駅を結ぶ商店街。店と人の流れが途切れず、整いすぎない角にこそ、この街の日常がにじんでいた。
  4. 発寒河畔公園は琴似発寒川沿いの遊歩道と木々が住宅地の間に現れる場所。にぎわいから数分で、歩く速度までほどけていった。
  5. 琴似発寒川では、川沿いの農試公園周辺に桜並木があり、市民が歩きながら眺める。今日は花のない季節でも、川が視界を広げてくれた。
  6. 琴似の駅から少し離れた道には、住宅の塀と飲食店の灯りが近い距離で並ぶ。目的地を決めない最後の曲がり角が、いちばん旅らしかった。
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