LoqiRoam · 旅日記

青森、海へ抜ける曲がり角

市場の朝から港、ねぶた、連絡船、神社、古川の通りへ。曲がり角ごとに青森の異なる時間を拾った。

青森駅を出たとき、空は少し曇っていた。まっすぐ名所へ行く気分ではなかったので、まず古川の市場へ曲がった。のっけ丼の具を選ぶうち、旅の最初から迷うことが許されているようで、歩幅まで軽くなった。次に港へ出ると、アスパムの三角形が海辺の方角を示していた。高い場所から街を見たあと、ねぶたの家ワ・ラッセでは巨大な紙と光に近づきすぎて、思わず一歩退いた。隣の八甲田丸では、同じ海が今度は祭りではなく、働く人と移動の記憶になった。帰りは廣田神社へ向かい、境内の静けさで音量を落とす。最後に古川の通りへ戻ると、旅の終着は名所ではなく、店の明かりや人の気配のほうが似合う気がした。いくつも角を曲がった結果、青森は海辺だけでも祭りだけでもなく、日常へ戻る道まで含めた街になった。

この旅の足跡

  1. 朝の市場で、魚介だけでなく焼き魚や惣菜まで自分で選べるのが面白い。青森魚菜センターののっけ丼は、最初の一杯から迷うことを旅の作法にしてくれた。
  2. 海辺で急に現れる三角形の建物が、少し大げさで楽しい。アスパム13階の展望台からは市街、港、八甲田まで見渡せるらしく、街の端が一度に近づいた。
  3. 赤い壁の大きな建物の中で、ねぶたが祭りの日だけの幻ではなくなる。ねぶたの家ワ・ラッセの大型展示は、紙と光なのにこちらが後ずさる迫力だった。
  4. 青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸は、船そのものが展示になっている。海を渡る乗り物の内部を歩くと、さっき見た湾が景色ではなく仕事と移動の場所に変わった。
  5. 廣田神社は市街地の中なのに、鳥居をくぐると音の層が薄くなる。境内の五社をすべて参るのが正式だと知り、短い寄り道のつもりが少し丁寧な時間になった。
  6. 古川の八甲通りと夜店通りの間には、歴史ある店と新しい店が混じる四本の通りがある。大きな名所を離れてから、青森の普段着がいちばん気になってきた。
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