LoqiRoam · 旅日記

分岐から始まる色集め

出雲坂根の線路と湧水から始まり、ループ、そば、工芸、たたらの山内へ色をつないだ。

出雲坂根駅では、列車が山を登るために進行方向を変える線路と、駅前に湧く延命水を見た。最初から、鉄の硬さと水の透明さが同じ場所にあって不思議だった。道の駅おろちループまで上がると、今度は道路が大きな輪を描き、線路が山の斜面に細く残っている。八川駅前では山菜の入ったそばを食べ、旅の色が灰色から白と緑に変わった。下横田では職人の手元に木の玉が並び、たたらと刀剣館では炎と玉鋼の話に出会う。最後に菅谷高殿の山内を思い浮かべると、駅の分岐は単なる鉄道の仕掛けではなく、人の暮らしが山と資源に合わせて道を選んできた跡にも見えた。派手ではないけれど、色が一つずつ増えていく旅だった。

この旅の足跡

  1. ホームの木製看板と線路の分岐がまず目に入る。三段式スイッチバックと延命水が同じ駅にあり、列車の仕組みと山の恵みが隣り合うのが面白い。
  2. 標高約700メートルの道の駅から、木次線とおろちループを一度に見られる。道路の大きな曲線が山肌に描く灰色の輪に、駅の赤い線路が小さく重なって見えそうだ。
  3. 八川駅から徒歩0分の八川そばは、横田産そばと山菜を使うざいごそばが看板。11時から16時、火曜休みという素朴な時間割まで、山の旅らしくて安心する。
  4. そろばんと工芸の館では、雲州そろばんの展示販売だけでなく、職人の手仕事を目の前で見られる。木の玉が並ぶ静かな工房は、線路とは違う細かなリズムを刻んでいそうだ。
  5. 奥出雲たたらと刀剣館は、たたら炉の断面模型や吹子の実物模型を展示し、刀鍛錬の実演日もある。木の工芸を見たあとでは、炎から生まれる玉鋼の重さがいっそう気になる。
  6. 菅谷高殿は全国で唯一現存する高殿様式で、周囲にはたたらに従事した人々の山内集落が残る。最後にここへ来ると、駅で見た分岐が暮らしと産業の分岐にも思えてくる。
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