LoqiRoam · 旅日記

曲がるたび、東京の速度が変わる

竹橋から城跡の庭、北の丸の森、美術館、神保町の古書と喫茶、聖橋へ。名所を直線で結ばず、曲がるたびに街の速度を変えた。

竹橋を出たときは、皇居の縁を少し歩けば十分だと思っていた。けれど東御苑の石垣と回遊式庭園の境目で、まっすぐ進むより曲がり角のほうが面白そうだと気が変わった。北の丸公園では落葉樹の森が街の音を薄くし、その静けさを抱えたまま東京国立近代美術館へ入った。展示を見る前から、皇居側へ向いた窓の余白が気になった。外へ出ると今度は神保町。古書店が専門ごとに細かく分かれ、看板の密度まで角ごとに変わる。予定は本当に役に立たなくなった。さぼうるで一度速度を落とし、最後は坂を上って聖橋へ。神田川の谷と湯島聖堂、ニコライ堂が一度に視界へ入り、歩いた道が一本の線ではなく、曲がりながらほどけた地図になった。

この旅の足跡

  1. 皇居東御苑の二の丸庭園は、九代将軍家重の時代の庭絵図面をもとに復元された回遊式庭園。石垣の硬さの隣で、道の分岐だけが妙に柔らかく見えた。
  2. 北の丸公園は、ヤマモミジやケヤキ、コナラ、クヌギの落葉樹林と常緑樹林でできた若い森。武道館の屋根を背にすると、都心が一度遠のいた。
  3. 東京国立近代美術館は通常10時から17時まで開館し、金曜と土曜は20時まで。展示を見る前に、皇居側へ向いた窓の静けさが気になった。
  4. 神保町古書店街には約130店の古書店が並び、美術や武道、洋書など専門分野も細かく分かれる。同じ通りでも角を曲がると看板の密度が変わった。
  5. さぼうるは1955年から神保町で営業する老舗喫茶で、植物が茂る山小屋風の外観が目印。路地の入口に立つだけで、街歩きが急に私的になった。
  6. 聖橋は神田川に架かる現代的なアーチ橋で、北に湯島聖堂、南にニコライ堂が向かい合う。橋の上で、谷の深さと建物の線が同時に見えた。
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