LoqiRoam · 旅日記
波と川と、まだ鳴っていないホール
寺尾中央公園から内野浜、白山公園、旧齋藤家別邸、みなとぴあ、音楽文化会館へ。波と町の記憶をたどる寄り道。
寺尾を出たとき、行き先は決めなかった。まず寺尾中央公園で、住宅地の音に緑の余白を挟む。そこから内野浜へ移ると、遠浅の砂浜に波が静かに寄せ、砂を踏む自分の足音まで別の楽器のように変わった。白山公園では空中庭園と回廊を歩き、街のざわめきが高低差の向こうで近づいたり遠のいたりする。旧齋藤家別邸の庭では音が内側へ沈み、座っているだけなのに建物の呼吸が聞こえる気がした。最後はみなとぴあで、信濃川河口の水と人の歴史をたどる。音楽文化会館の前では、改修の知らせも含めて、まだ始まっていない演奏を想像した。聴こえたものより、聴こえなかったものが旅を長くしてくれた。
この旅の足跡
- 寺尾中央公園は寺尾駅から徒歩約6分で、休息所もある身近な公園。出発点のすぐそばなのに、車や住宅の音が葉の間でほどけ、旅の耳慣らしにちょうどよかった。
- 内野浜海水浴場は遠浅の砂浜と穏やかな波が特徴で、内野駅から徒歩約30分。砂を踏む音が一歩ずつ変わり、波の静かな反復に驚いた。
- 白山公園は六つの空中庭園と回廊で文化施設をつなぎ、信濃川へも歩いて行ける。高低差のある通路で、街のざわめきが近づいたり遠のいたりした。
- 旧齋藤家別邸は1918年に造られた豪商の別荘で、室内から庭園を楽しむ設計。外の街音を離れて座ると、庭の静けさが建物の一部に聞こえてきた。
- みなとぴあは信濃川河口の歴史を、水と人の歩みとして展示する博物館。旧新潟税関庁舎などの建物を前にすると、今の水音へ昔の荷役の気配が重なった。
- 新潟市音楽文化会館は、市民が練習や成果発表をできる音楽センターとして1977年に開館。改修情報も確認し、今は建物の前でまだ鳴っていない音を想像した。