LoqiRoam · 旅日記
曲がり角の先で、甘さと水音
西新井大師の門前から境内の螺旋堂と井戸、北参道の生活道、老舗和菓子店を経て芝生の公園へ抜けた。
大師前を出て、最初は参道の人の流れについていった。けれど江戸後期の山門を見たところで、今日は効率よく歩く日ではないと決めた。境内では、建物の中を螺旋で巡る三匝堂に足を止め、さらに加持の井戸へ向かった。西新井という地名の由来になった水の場所は、派手ではないのに旅の芯になった。そこから北参道へ抜けると、寺の物語が自転車や看板のある生活道にほどけていく。戦前から続く和菓子店では草だんごとくず餅に惹かれたが、不定休という小さな不確かさも含めて面白い。最後は西新井さかえ公園の芝生へ。曲がり角を選んだ結果、門前の密度、水の記憶、甘い休符、そして空の広さまで一続きになった。
この旅の足跡
- 江戸後期の山門が、駅から数分の道にいきなり立ち上がる。門前の店々を見てから振り返ると、街の入口というより時間の入口に見えてきた。
- 三匝堂は内部を螺旋状に巡る、さざえの殻のような仏堂だという。外から眺めるだけでも、参拝の道筋そのものが建物になった感じがして不思議だ。
- 加持の井戸は西新井という地名の由来になった場所。伝説の水を前にすると、地名が単なる住所ではなく、昔の人の驚きの記録に見えてくる。
- 北参道商店街は、寺の裏側に続くもう一つの顔。観光の正面を外れると、看板や自転車の並びに、今この町が暮らされている気配が濃くなる。
- 田口屋菓子舗は戦前から続く和菓子店で、草だんごとくず餅を手作りしている。不定休なので、店先の気配を確かめる寄り道になるのも旅らしい。
- 西新井さかえ公園には約1万平方メートルの芝生広場と、年齢別の遊具や健康遊具がある。寺の余韻を抱えたまま、最後に空の広さへ逃げ込めそうだ。