LoqiRoam · 旅日記
影がほどける順番
本宮砂防堰堤から芦峅寺、立山博物館、岩峅寺、常願寺川公園へ移り、山麓の水・森・文化・夕景の変化を追った。
本宮を出ると、山の輪郭はまだ濃い影の中にあった。最初に見た本宮砂防堰堤では、横一線に落ちる水が強い白さをつくっていた。人の暮らしを守る構造物なのに、遠くからは静かな滝に見える。その後、芦峅寺の杉林へ入ると、光は細くなり、社殿の奥行きだけが増した。博物館で立山信仰の記憶に触れてから岩峅寺へ移ると、同じ山麓でも参拝の道筋と森の表情が少し違っていた。最後は常願寺川の開けた河川敷で、草の先と水面が順番に明るくなるのを見送った。遠くへ逃げる旅ではなく、一日の光が形を変える場所を渡る旅だった。
この旅の足跡
- 本宮砂防堰堤は高さ約22メートル、長さ約107メートル。水が横一線に落ちる姿は、災害を防ぐ構造物なのに静かな滝にも見えた。
- 杉の間にある雄山神社中宮祈願殿は、立山信仰の山麓拠点。暗い境内に差す光が、森の奥行きを思ったより深くしていた。
- 立山博物館は芦峅寺の立山信仰を扱う施設。展示を見てから窓の外へ戻ると、さっきの山道まで別の時間に見えた。
- 岩峅寺の雄山神社前立社壇は、室町時代建立の本殿を持つ里宮。木立の向こうの明るさが、山頂への道を静かに示していた。
- 常願寺川公園は河川敷の芝生と花の木ひろばを備え、散歩にも使われる。夕方、草の先だけが川より先に明るくなった。