LoqiRoam · 旅日記
長万部、五つの角を曲がって
神社、かにめし、河川敷、公園、森、温泉をつなぎ、町の生活と自然を曲がり角任せに味わった。
長万部駅を出たときは、海へ向かうつもりだった。けれど最初の角で飯生神社のほうが気になり、古い由緒を確かめながら歩いた。駅前へ戻ると、かにめしの歴史が単なる名物ではなく、食材不足を越える工夫から生まれたものだと知る。弁当を手にしてからは、川沿いのあやめ公園へ。花の季節ではなかったが、河川敷の広さと風が町の別の顔を見せてくれた。さらに長万部公園の池と森へ入り、予定にはなかった静けさに足を止める。最後は温泉で体を温めた。遠くへ行った旅ではないのに、曲がるたび、町の輪郭が少しずつ増えていった。
この旅の足跡
- 駅から少し離れるだけで、境内の空気が町の喧騒を切り替えた。江戸後期に始まった神社だと知ると、この角を曲がる旅の入口にぴったりに思えた。
- かにめしは駅弁の話だけではなく、食材不足から生まれた工夫の記憶でもある。持ち帰るかその場で食べるか、最後まで少し迷った。
- 河川敷の広さに、町の中心とは別の呼吸があった。水のそばを歩くと、さっき食べたかにめしの土地が急に漁業の町として立ち上がってくる。
- 花の季節なら約50種類7万株のアヤメが河岸を彩るという。今は花のない時期でも、広い空と低い道筋が残り、風の向きだけはよく分かった。
- 池を囲む自然石と、とみのの森へ続く散策路。花の名所の隣に森林浴の道があるのが意外で、予定より長く静けさに引き止められた。
- 最後に入った湯は、旅の終点というより町の生活側に戻るための小さな扉だった。源泉かけ流しと知り、歩いた距離まで静かにほどけていった。