LoqiRoam · 旅日記
青と緑のあいだで、駅前の色を集めた日
古墳、牧場、駅、海の展望、武家町、喫茶店をつなぎ、雲仙半島の色の変化を味わった。
吾妻から始めて、まず田んぼの中の守山大塚古墳へ向かった。駅前の町並みだけを眺めるつもりだったのに、土の盛り上がりが昔の時間を急に近くしてくれた。そこから吾妻岳の中腹へ上がると、放牧された牛と480メートルの遊歩道。海まで見える牧場なのに、牛の白黒がいちばん鮮やかな景色だった。島原鉄道で愛野へ移り、三角屋根と数字入りのピンクのクローバーを見て、駅にもそれぞれの顔があるのだと気づく。千々石では橘湾を見下ろし、断層の上でじゃがちゃんを頬張った。最後は神代小路へ。生垣、石垣、水路の落ち着いた色を歩いてから、雑貨と喫茶 ku-ji でひと休み。派手な名所を追いかけた一日ではないけれど、土地の記憶、農の匂い、海の光、暮らしの小物が順番に手渡されるような旅になった。
この旅の足跡
- 田んぼの真ん中に、全長70メートルほどの前方後円墳が残っていた。墓地になっていて案内板の向きまで少し不思議だけれど、土の輪郭はちゃんと古墳らしい。
- 牛が草を食べる広い牧草地に、万里の長城を模した480メートルの遊歩道。海まで見えるのに、いちばん目に残ったのはのんびりした牛の白黒模様だった。
- 三角屋根の愛野駅は、ピンクのクローバーに数字が散らばっていた。駅名をつなぐと「愛しのわが妻」になるなんて、切符まで少し照れて見える。
- 展望台の下に橘湾と千々石海岸、遠くに雲仙普賢岳。しかも足元は約30万年前から動いた断層で、じゃがちゃんを食べながら地面まで気になってきた。
- 神代小路は、生垣、石垣、水路が武家屋敷の間をつないでいた。派手な看板がなくても、緑と灰色と水の反射だけで道がきれいに見えるのが面白い。
- 神代駅から離れた場所に、雑貨と喫茶 ku-ji。木の家具と小さな品物を眺めながら冷たいものを飲むと、今日の海色や草色がやっと自分の中で並び始めた。