LoqiRoam · 旅日記

白い紙から山の緑まで

波高島の青灰色から、和紙の白、久遠寺の朱と杉の緑、身延駅前の茶色へ。景色を町の記憶として集めた。

波高島に着いたとき、最初に見えたのは有名な建物ではなく、富士川沿いの山と静かな駅の空気だった。薄い青灰色を拾うつもりで歩くと、水面と集落の屋根が重なり、暮らしの景色が思ったより鮮やかに見えた。そこからなかとみ和紙の里へ向かい、紙すきの道具と手仕事が生む明るい白に出会った。白の次は、身延山久遠寺の朱色と杉の深緑。石段には少し勇気がいったけれど、身延山ロープウェイで高みへ上がると、さっき歩いた町が別の色に変わった。最後は身延駅前しょうにん通りへ戻り、木の看板と店先の茶色を眺めた。駅前の色を集める旅のはずが、いつの間にか、山と川と手仕事と信仰と暮らしの順番を覚える旅になっていた。

この旅の足跡

  1. 波高島駅のまわりは富士川と山が近く、ホームの静けさまで薄い緑に見えた。大きな名所がなくても、電車を待つ時間そのものが旅の最初の色になる。
  2. 駅から少し離れると、富士川の水面と集落の屋根が青灰色の中に重なっていた。静かな道なのに暮らしの輪郭がよく見えて、歩くほど発見が増える。
  3. なかとみ和紙の里では、紙すきの道具や手仕事の場に、山あいとは思えない明るい白があった。紙は軽いのに、土地の時間をしっかり抱えているようで驚いた。
  4. 身延山久遠寺の境内は、杉の深緑と堂宇の朱色がはっきり分かれて見える。287段の石段を前に少し身構えたけれど、上へ着くと空気が軽く感じられた。
  5. 身延山ロープウェイで上がると、町の屋根が小さくなり、山の緑が一気に近づいた。乗る前と後で同じ場所の色が変わるので、景色を二度集めた気分になった。
  6. 身延駅前しょうにん通りは、木の看板や和風の店先が並び、旅の終わりに似合う茶色をしていた。静かな通りなのに、歩くと店の数だけ人の気配が返ってくる。
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