LoqiRoam · 旅日記

水の青から、曲がり角の先へ

白川水源から茶屋、湧水池、大桜、湧水トンネルを経て、見晴台駅の山景色へ向かう寄り道の旅。

白川水源では、毎分60トンの水が杉の影の底から絶えず湧いていた。まずその音を聞き、水源茶屋でそば茶と豆腐の気配に寄り道する。そこから少し道を外して明神池へ向かうと、かつては今よりずっと広い沼沢湖だったという話が、池の静けさに重なった。一心行の大桜では、花のない季節にも一本の木が空を支えている。旅の向きが変わったのは高森湧水トンネル公園だった。鉄道工事の途中で水に押し返され、その跡が今は人を招く水の道になっている。最後は見晴台駅へ。小さな駅で列車を待ちながら、出発地の水が山の向こうへ流れていくように、私の視線もゆっくり遠くへ移っていった。

この旅の足跡

  1. 毎分60トン、常温14度の水が白い砂を押し上げていた。杉の影は涼しいのに、底だけが絶えず動いているのが不思議だ。
  2. 水源のそばの水源茶屋は、そば茶や豆腐が休憩の入口になる店。名水を見た直後に、舌で確かめる流れが少し可笑しくていい。
  3. 明神池は今の姿になる前、もっと広い沼沢湖だったという。池の各所から湧く水を眺めると、消えた大きさまで想像してしまう。
  4. 一心行の大桜は樹齢400年以上とされる中松の木。花の季節でなくても、広い空の下で一本だけ立つ姿には、道を曲がってでも会う理由がある。
  5. 高森湧水トンネル公園は、鉄道工事中の大量出水がきっかけで残った全長2055メートルのトンネル。人の計画が水に曲げられた場所だ。
  6. 見晴台駅は南阿蘇鉄道の小さな駅。名前どおり視界が開ける一方、駅そのものは控えめで、列車を待つ時間まで景色になる。
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