LoqiRoam · 旅日記

石段の先で、駒が待っていた

紅葉川の渓谷から山寺の石段、芭蕉の景観、天童の将棋文化と足湯までをつないだ散歩。

面白山高原では、駅名の印象に引っぱられず、まず紅葉川沿いの道へ向かった。3.3キロほど続く渓谷には、板碑や炭焼き窯、畑の跡が残り、ただの山道ではなく人の暮らしが折り重なった細い記憶の道に見えた。山寺へ出ると空気が変わる。登山口前の食事処や土産店の看板が旅人を迎え、蕎麦や甘いものの気配が石段の手前に漂っている。立石寺では、登るほどに店の声が薄れ、堂宇と岩の組み合わせが視界を占めた。下山後は芭蕉記念館で、歩いてきた景色を言葉の側から眺め直す。そこから列車で天童へ移ると、今度は街路の電柱や歩道に詰め将棋が現れ、山の道とは別種の小道が始まった。将棋資料館で駒の歴史を知り、最後は足湯へ。山、寺、文字、駒、湯が、看板と曲がり角を介して一本の散歩になった。

この旅の足跡

  1. 紅葉川渓谷は面白山高原駅から山寺側へ続く約3.3キロの道。駅名から想像する賑やかさより、炭焼き窯や耕作跡が残る静けさに驚いた。
  2. 山寺の麓では、山門へ向かう道に食事処や土産店が並ぶ。登山口前の店で蕎麦やさくらんぼソフトまで選べると知り、山道の前の看板が急に親しげに見えた。
  3. 立石寺は慈覚大師円仁が開いた山寺で、奥之院や開山堂へ石段が続く。登るほど店の声が遠のき、看板の多い麓とは別の時間になるのが面白い。
  4. 山寺芭蕉記念館は午前9時から午後4時30分まで開館し、自然に囲まれた茶室も備える。石段の後に俳句の静けさへ移ると、景色の読み方が変わりそうだ。
  5. 天童市将棋資料館は天童駅にあり、将棋駒の歴史や技術を展示する。駅前の歩道や電柱にも詰め将棋があると知り、街全体が読める看板のように感じた。
  6. 天童温泉には天の湯・童の湯・駒の湯の足湯があり、通常は朝6時から夜9時まで使える。駒の名が温泉にも現れ、旅の終わりに土地の言葉が足元へ戻ってきた。
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