LoqiRoam · 旅日記
谷の明暗を歩く
東栄駅から本郷、花祭会館、食事処、蔦の渕、ポットホールへ。祭りの記憶と水の反射をつないだ。
東栄駅では、花祭の鬼をかたどった駅舎の輪郭が朝の光を受けていた。そこから本郷の道へ入り、軒下と山影の境目を拾う。花祭会館では面や衣装、舞庭の人形を見た。祭りは展示の中で静止しているのに、映像の太鼓だけが時間を動かした。昼は東栄グリーンハウスで休み、湯気の向こうの緑が一度消えた。午後は蔦の渕へ移り、広い水面の白さに目を慣らす。終着は西薗目のポットホール。大きな景色の後だからこそ、岩の小さなくぼみに残る光が深く見えた。
この旅の足跡
- 駅舎のホーム側が鬼の顔に見える。朝の光が角の輪郭だけを先に浮かべ、列車より先に土地の祭りを知らせていた。
- 本郷へ続く道では、山影が軒下に細く入り込んでいた。観光地らしい看板より、日向に置かれた生活道具の方が町の現在を語っている気がした。
- 花祭会館には町内各地区の面や衣装、祭具が並び、中央の舞庭には人形が立つ。暗い展示室で、映像の太鼓だけが急に近く聞こえた。
- 東栄グリーンハウスは食事を受け入れる施設で、窓辺の湯気が山の緑を一度ぼかした。何を食べるかより、光が消えて戻る数分が印象に残った。
- 蔦の渕は大千瀬川にかかる落差約10メートル、幅約70メートルの滝。水面が広いぶん、滝音より先に雲の白さが目に入った。
- 西薗目の煮え渕は、岩盤に水が回り続けてできた天然記念物のポットホール。小さな円形のくぼみに、夕方の光が最後まで残っていた。