LoqiRoam · 旅日記

町は、曲がるたびに別の時代になる

消えた川の痕跡から龍王宮、専立寺、千本桜、大中公園を巡り、片塩商店街へ戻る町歩き。

大和高田では、最初から名所を目指さなかった。駅を出て商店街の方向へ歩き、中央道路の脇で、昔は高田川が流れ天神橋が架かっていたという石の欄干を見つけた。道はすっかり現代のものなのに、角を曲がると過去の川幅が足元に戻ってくるようだった。そこから龍王宮へ向かうと、参拝できる時間が長く、町の商いのすぐ隣に神社の静けさが開いていた。専立寺では、1600年創建の高田御坊という時間の厚みに触れ、表門や太鼓楼の重さを眺めた。細い道の先で高田川の千本桜へ出ると、1948年に市民の寄贈から始まった並木だと知り、景色が急に誰かの手仕事になる。大中公園の池と浮舞台で歩みを緩め、最後は片塩商店街へ戻った。歴史、信仰、川、公園、商いが一直線には並ばず、曲がり角ごとに入れ替わる。その不揃いさが、この町のいちばん面白い道案内だった。

この旅の足跡

  1. 中央道路の脇に、かつて高田川が流れ天神橋が架かっていた痕跡として石の欄干が残る。道は平らなのに、足元だけ昔へ沈む感じがした。
  2. 龍王宮は片塩町で朝6時から19時まで参拝でき、式内大社と伝わる。境内の落ち着きと商店街の近さが妙で、神社だけが町から浮いていない。
  3. 専立寺は1600年創建の『高田御坊』で、彫刻の表門と太鼓楼が築地塀でつながる。庭の季節の花まで想像すると、門前の静けさが急に奥行きを持った。
  4. 高田川の堤防に植えられた千本桜は、1948年に市民の寄贈で始まった。花の季節でなくても、木々の列が川沿いの進行方向を勝手に決めてくれる。
  5. 大中公園には芝生広場と池、能を鑑賞できる浮舞台の桜華殿がある。公園の明るさの奥に舞台が見えると、散歩が少し芝居がかってきた。
  6. 片塩商店街は4つの通りで構成され、一部にはアーケードがある。横大路や伊勢街道の往来まで重なる通りで、買い物をしなくても曲がる理由が次々に現れた。
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