LoqiRoam · 旅日記
石の時間と、光の細道
入水鍾乳洞の水、星の村の太陽、杉並木の光を軸に、地底から山里と町の休憩へつないだ。
菅谷から少し足を伸ばすと、最初に待っていたのは入水鍾乳洞の冷たい水だった。狭い洞内を進むうち、道はただの移動ではなくなり、足元の石がこの土地の時間を教えてくれる。続くあぶくま洞では、同じ地底が今度は大きなホールとして開け、静けさの中に高さが生まれた。地上へ戻って星の村天文台に寄ると、地下で見上げた石筍の先に、本物の太陽と空がつながった。後半は安倍文殊菩薩堂の杉並木へ。126本の杉の間を歩くと、願いごとよりも先に、細い光が何百年も通ってきたことに気づく。舘公園の展望台で山里を見渡し、最後は船引のカフェでコーヒーと甘いもの。大きな名所を集めたというより、暗さ、明るさ、木漏れ日の三つを拾って帰る旅だった。
この旅の足跡
- 入水鍾乳洞は、狭い洞内を水に触れながら進める本格派。入口からもう空気が冷たく、観光というより地球の内側へ借り入る感じがした。
- あぶくま洞の公開部は約600メートル、最大ホールは高さ約29メートル。石筍を見上げると、静かな場所なのに時間だけが大きく動いている。
- 星の村天文台は展示室や観測室があり、昼は太陽望遠鏡も見られる。地下の暗さのあとに太陽を覗くと、旅の明るさが急に反転した。
- 安倍文殊菩薩堂へ続く杉並木は約300メートル、126本。古い木々の間を歩くと、合格祈願の絵馬より先に、光の細さに目が留まった。
- 舘公園は常盤城跡を整えた場所で、城型の展望台が立つ。昔の城そのものではないと知って見ると、記憶を今の景色に重ねる装置に見えてくる。
- 船引のdining 月・天は自家焙煎コーヒーや季節のフルーツパフェを出す店。大きな景色の後に甘い一口を置くと、発見が暮らしの側へ戻ってくる。