LoqiRoam · 旅日記
看板の先で、川辺の小道がひらく
予土線の駅から松丸の温泉、水族館、俳句の小径を経て、河後森城跡で地形を見渡す散歩。
真土駅を出発して、まずは予土線の線路が集落の暮らしに寄り添う様子を眺めた。吉野生を経て松丸へ向かうと、駅なかの温泉という意外な看板に出会い、山あいの旅が急に人の体温を持ちはじめる。そこからおさかな館へ寄り、四万十川の魚だけでなく遠い川の巨大魚やペンギンまで見て、土地の小ささと世界の広さが同じ建物に収まっていることに驚いた。午後は不器男記念館を起点に、句碑を探しながら旧街道の細道を歩く。読むために立ち止まると、商店や家先の文字までゆっくり目に入る。最後は三つの川に囲まれた河後森城跡へ上がった。駅、川、句碑、山城が別々の名所ではなく、ひとつの地形の上で順番に姿を変えていく旅だった。
この旅の足跡
- 真土駅のホームを出ると、山あいの線路と細い生活道がすぐ隣にありました。大きな案内板より、曲がり角の小さな文字が旅の向きを教えてくれそうです。
- 吉野生駅の周りでは、予土線の駅名が山あいの暮らしの間にぽつんと現れます。列車を待つ場所なのに、先へ続く道のほうが気になってしまいました。
- 松丸駅は駅そのものに温泉がある珍しい立地で、旅の看板が急に生活の案内へ変わります。列車を降りてすぐ休める町の設計が面白く感じられました。
- おさかな館では四万十川の身近な魚からアマゾンやメコンの巨大魚まで紹介し、ペンギンやカワウソにも会えます。山の駅前で世界の水辺に飛び出す感じがしました。
- 不器男記念館のある松丸地区には、俳句の小径として17の句碑が町に点在します。建物の中だけでなく、句を探して細道を歩く仕掛けに惹かれました。
- 河後森城跡は三つの川に囲まれた丘の上の中世山城で、山の稜線に曲輪が馬蹄形に並びます。最後に高みへ上がると、道の細部が町全体の地形へつながりました。