LoqiRoam · 旅日記

曲がり角を六つ選んだ日

河和田の漆器の町並みから実演、山里の休憩、寺町、西山公園の展望へ。手仕事と静けさと遠景をつないだ。

北鯖江を出たときは、駅の周りを軽く歩いて終わるつもりだった。けれど南西へ曲がると、河和田の中道通りに漆器の工房や職人の家屋が続いていた。古い町並みは声高に歴史を語らず、軒先の奥に仕事を隠している。その気配を確かめたくなって、うるしの里会館へ向かった。資料を見るだけのつもりが、職人工房の実演に足を止められ、器の表面より手の動きに見入ってしまう。そこから山側へ進み、ラポーゼかわだで一度歩調をほどいた。午後は本山誠照寺へ戻り、門前町と鐘楼の静かな重さを受け取る。最後に西山公園の展望台へ上がると、地上で迷った道が上からは一本の細い流れに見えた。名所を順番に回ったというより、町の硬さ、湯気、祈り、遠景を曲がり角ごとに拾った一日だった。

この旅の足跡

  1. 中道通りは漆器の工房や職人の家屋が集まり、漆の香りが漂う古い町並み。観光地らしく整いすぎていない角が残り、次の道を選ぶたび暮らしが覗く。
  2. うるしの里会館は17時まで開館し、資料展示だけでなく職人工房の実演も見られる。棚の器は静かなのに、作り手の手の動きだけが妙に canlıだ。
  3. 山あいのラポーゼかわだは、工芸の町を歩いたあとに呼吸を戻せる休憩先。漆の硬質な印象から湯や食の気配へ移ると、旅の速度まで少し緩む。
  4. 本山誠照寺は800年以上の法灯を継ぐ鯖江本山で、境内の鐘楼や門前の町並みに歴史が重なる。大きな山門の前では、道の方が寺へ敬礼しているように見えた。
  5. 西山公園の展望台からは鯖江市街地と遠く白山連峰まで望める。歩いてきた道は地上では曲がりくねっていたのに、上から見ると意外なほど素直な線になった。
  6. 日野川河川公園は芝生や中央広場が整備された憩いの場所で、桜や菜の花の季節には川沿いの景色が明るくなる。今日は水面の余白だけを拾って帰る。
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