LoqiRoam · 旅日記
伏見で三つの小さな発見
藤森の信仰、桃山の歴史、伏見の水と港を歩いてつないだ午後。
JR藤森を出て、最初は藤森神社の参道に入った。駅の近さに油断していたら、境内には馬と勝運の気配があり、街の音まで少し薄くなる。そこから海宝寺へ向かうと、伊達家の居館跡と伝わる場所に、秀吉ゆかりの手水鉢や政宗の木斛が残っていた。二つ目の発見は、歴史が石碑だけでなく木の姿にも宿ること。山手の伏見桃山城運動公園で視界を広げたあと、御香宮神社へ下り、極彩色の社殿と御香水に出会った。水の気配を追うように伏見夢百衆で旧本社の建物と水出し珈琲を味わい、最後は伏見港公園へ。三つ目は、酒の町がかつて港町でもあったことだった。小さな発見を三つ集めるつもりが、道そのものがもう一つの発見になった。
この旅の足跡
- 藤森神社は勝運の神として知られ、境内には馬にまつわる気配が濃い。駅から近いのに、参道へ入ると音がすっと遠のくのが面白い。
- 海宝寺は伊達家の居館跡と伝わり、豊臣秀吉ゆかりの手水鉢や伊達政宗手植えとされる木斛がある。木の存在感に歴史が急に近くなる。
- 伏見桃山城運動公園には、伏見城の姿を思わせる模擬天守が残る。城そのものではないのに、木立の向こうに見えると町の記憶が少し立体的になる。
- 御香宮神社では、伏見の名水として知られる御香水を実際に見られる。極彩色の社殿と清泉が同じ境内にある組み合わせに、少し意表を突かれた。
- 伏見夢百衆は大正期の月桂冠旧本社を活用した喫茶・販売処で、伏見の酒や名水の水出し珈琲に出会える。古い建物で休むと町歩きの速度が戻る。
- 伏見港公園は、かつて舟運で栄えた伏見港の水辺にあり、復元された三十石舟も見られる。旅の終わりに水面を眺めると、町が港だった実感が遅れて届く。