LoqiRoam · 旅日記

荒川の小道から、祭りの通りへ

山道、農の休憩、民俗資料、織物、石畳、祭りを一本の歩き旅につないだ。

武州中川を出ると、最初に目に入るのは大きな名所ではなく、山へ折れていく道の案内だった。若御子山遊歩道では小さな橋を渡るたびに、駅前の生活道が木立の細い道へ変わっていく。下山後は道の駅あらかわでそばや農産物の名前を眺め、荒川歴史民俗資料館で笠鉾や串人形、野鍛冶の道具に出会った。ここで旅の向きが少し変わった。自然を見る散歩から、人が道を使い、祭りをつくり、物を売ってきた時間を読む散歩へ。秩父市街では銘仙の布の色に足を止め、番場通りの石畳と大正建築の軒先をゆっくり歩いた。最後に秩父まつり会館で山車の大きさを知ると、静かな荒川の道にも、いつか大勢が行き交う日の気配が重なって見えた。

この旅の足跡

  1. 若御子山遊歩道は武州中川駅から歩いて45〜60分ほど。小さな橋の先で道が急に山の表情へ変わり、案内板を読みながら進むと、駅前の静けさが別の静けさに変わっていくのが面白い。
  2. 道の駅あらかわは『しだれ桜とそばの里』を掲げ、直売所の営業時間は8時30分〜17時。山から下りてきたところで土地の食べ物の名前が並ぶと、景色が味覚に変わる感じがして、そばの看板をつい探したくなる。
  3. 荒川歴史民俗資料館では歌舞伎笠鉾や白久の串人形、野鍛冶の資料を無料で見られ、武州日野駅から徒歩5分。華やかな祭りの道具と、働く手の道具が同じ館内にあるのは意外で、町の看板の背景まで少し見えた気がする。
  4. ちちぶ銘仙館は午前9時〜午後4時に開館し、秩父銘仙の見学や染め織り体験の案内がある。山側で見た素朴な道具から、布の光沢や大胆な柄へ移ると、秩父の文化が急に立体的になる。
  5. 番場通りは石畳と大正時代の建築が秩父神社まで続く表参道で、食べ歩きの店も並ぶ。建物の軒先を見ながら歩くと、道そのものが古い案内板のようで、曲がらずに進むだけなのに町の時間が読めてくる。
  6. 秩父まつり会館は秩父神社の近くで、季節により9時または10時から17時まで開館する。番場通りの静かな建物を見たあとに山車の迫力を知ると、さっきの道幅が祭りの日にはどう変わるのか想像が膨らむ。
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