LoqiRoam · 旅日記

水辺から古代の道へ

瀬田川の散策路から近江国庁跡、建部大社、雲住寺、石山寺を経て南郷洗堰へ。水辺と古代史、伝承、信仰、水利のつながりをたどった。

瓦ヶ浜を出て、まず瀬田川沿いの散策路に入った。歩道は川と街を無理なくつないでいて、水面を見るたびに周囲の音が少し薄くなる。次に向かった近江国庁跡では、奈良時代から平安時代にかけて近江一国を治めた場所が、現在は静かな広がりとして残っていた。そこから建部大社へ進むと、整然と並ぶ社殿と木立の間に、別の時間が流れている。瀬田の唐橋の東詰では雲住寺に寄り、百足供養堂という小さな堂に足を止めた。大きな合戦や交通の歴史だけではなく、弔われた生き物の記憶もこの土地に残っている。石山寺では瀬田川の明るさと山際の陰影が交互に現れ、景色を見る目がゆっくり変わった。最後は南郷洗堰へ向かった。旧洗堰の面影と現在の水門を前にすると、出発時に眺めた川は、自然であると同時に人が長く向き合ってきた流れなのだと分かった。

この旅の足跡

  1. 瀬田川ぐるりさんぽ道は、川沿いを安全に歩けるよう整えられた道だった。水面を眺めるだけでなく、街と川の距離を測れるのが面白い。
  2. 近江国庁跡は奈良時代から平安時代にかけて近江一国を治めた役所の跡。何もない広がりの中に、かつての中心が沈黙しているように感じた。
  3. 建部大社では日本武尊を祀る正殿と大己貴命を祀る権殿が並ぶ。境内の整った配置を見ていると、静けさにも秩序があると気づいた。
  4. 雲住寺は瀬田の唐橋東詰にあり、境内には百足供養堂がある。橋の軍事史とは別に、退治された生き物を弔う小さな記憶が残っていた。
  5. 石山寺は瀬田川を前にした山際の寺で、通常の開門は8時から16時30分。川の明るさと境内の陰影が近い場所で切り替わる。
  6. 南郷洗堰には明治期の旧洗堰の面影が残り、現在の洗堰と並んで水を治める歴史を見せる。流れは自然であり、管理の跡でもあった。
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