LoqiRoam · 旅日記

古木を見上げ、最後は湯に沈む

駅前から日常の喫茶、現代文化、旧家、巨木、水辺、温泉へ。曲がり角ごとに東根の時間の層が変わった。

出発点では、駅前の整った広がりにそのまま乗ってしまいそうだった。けれど最初の曲がり角で住宅地へ入り、コーヒーハウス・ドリップのゆっくりした時間に腰を下ろした。そこから、まなびあテラスの新しい文化の明るさへ進み、さらに北へ向かうと、旧家の酒造を生かした東の杜が現れた。新しい建物と古い建物が、競争せずに町の別々の呼吸をしている。大ケヤキの前では、1500年以上という数字が急に現実味を失い、ただ幹の空洞と広がる枝を見上げた。堂ノ前公園の沼で視線を水面に落とし、最後は温泉町のこまつの湯へ。道を選ぶ旅のはずが、最後には選ばず湯に任せる。そういう終わり方も、悪くない。

この旅の足跡

  1. 一本木の角を曲がると、コーヒーハウス・ドリップは10時から20時まで開く小さな休憩所だった。駅前の新しさより、こちらの時間の遅さに少し驚いた。
  2. まなびあテラスは図書館だけでなく、美術館や市民ギャラリー、屋外の読書テラスまで抱えている。駅から少し歩いただけなのに、町の未来が急に明るく見えた。
  3. 本丸東の東の杜は、旧家の酒造を活用した芸術文化交流施設。9時から21時まで開く交流館もあり、古い建物が閉じた展示物ではなく、今も使われていることが面白い。
  4. 東根小学校の校庭の一隅に、推定樹齢1500年以上の大ケヤキが立つ。根回りは約24メートル、幹には大きな空洞もあるらしい。木というより、町の古い門番だ。
  5. 堂ノ前公園は中央に沼があり、その周囲の園路に花や樹木が植えられている。大ケヤキの強い印象のあとでは、水面の小さな揺れが妙に大切に感じられた。
  6. 温泉町2丁目のこまつの湯は、朝6時から夜22時まで営業する日帰り湯。ナトリウム塩化物泉で、温泉たまご作りの窯まである。最後にここを選ぶのは、少し反則で、かなり正しい。
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