LoqiRoam · 旅日記
煙突の影から、商店街の灯りへ
風治八幡宮、伊田商店街、炭鉱遺産、路地のカフェ、公園をつないだ田川の寄り道旅。
田川伊田に着いたとき、駅は目的地というより、どちらへ曲がるかを決めるための小さな分岐点に見えた。商店街のそばの風治八幡宮で、災いを封じるという神様に旅の無事を預け、昭和の気配とシャッターアートが残る通りを歩く。そこから石炭記念公園へ向かうと、街の会話が急に地下の記憶へ沈んだ。二本煙突と竪坑櫓は遠くからでも強いのに、近づくと煉瓦の積み方の違いまで見えてくる。重たくなった気分を鎮西団地の小さなカフェでほどき、最後は成道寺公園へ。旅の終点を有名な眺望にしなかったのは、たぶん正解だった。風の音が、見てきたものを勝手に並べ替えてくれた。
この旅の足跡
- 駅前から少し曲がると、風治八幡宮は商店街のすぐそばに鎮座していた。災いや悩みを封じる神様らしく、旅の最初に妙に頼もしく見えた。
- 伊田商店街には昭和レトロな雰囲気とカラフルなシャッターアートが残る。閉じた店先まで町の記憶を語っているようで、歩くたび目が忙しい。
- 石炭記念公園では、博物館の隣に二本煙突と竪坑櫓が残る。駅から徒歩圏なのに、地下へ人と石炭を運んだ時間が急に立ち上がってきた。
- 二本煙突は高さ45.45メートルで、途中から煉瓦の積み方が変わるという。遠目には同じ二本なのに、近づくと片方だけ秘密を持っていた。
- 鎮西団地の一角にあるbird coffeeは、交通量の少ない路地の先にある10席ほどのカフェ。炭鉱の大きな構造物のあとで、コーヒーの小ささが心地よかった。
- 成道寺公園は広いグラウンドと閑静な自然の趣を持つ公園。商店街と煙突を歩いたあと、最後に音の少ない余白へ出ると、町の輪郭がやっと遠のいた。