LoqiRoam · 旅日記
緑の道から、古書と城下町の甘味へ
茶畑、古書、公園、城跡、庭園、旧郵便局の甘味をつなぎ、西尾の日常と歴史を歩いて味わった。
米津を出たときは、どこまで歩くか決めていなかった。まず西野町の茶畑を通る道へ寄り、畝の緑が市街地の方向をそっと指しているように見えた。そこから岩瀬文庫へ向かうと、古典籍から近代の実用書まで集めた場所が、思いのほか身近にあることに驚く。静かな本の空気をいったん鶴城公園のベンチでほどき、子どもの遊具と木陰を眺めてから歴史公園へ移った。復元された櫓や旧近衛邸を見たあと、尚古荘の枯山水と茶室で歩調がゆっくりになる。最後は明治時代の旧郵便局を使うカテキン堂へ。抹茶大判焼きと緑のポストが、堅い歴史の旅を軽やかな一口に変えてくれた。
この旅の足跡
- 米津から西尾へ向かう途中、西野町の茶畑が道の先で緑の帯になっていた。駅前だけでは見えない西尾の顔に、思わず歩幅がゆるむ。
- 岩瀬文庫は古典籍から近代の実用書まで8万冊余りを保存する書物の博物館。駅から歩ける距離に、こんな時間の厚みが隠れているのが面白い。
- 鶴城公園は岩瀬文庫に隣接し、東屋やベンチ、市内最大のコンビネーション遊具がある。古書の静けさのあとに子どもの声を置くと町が急に立体的になる。
- 西尾市歴史公園では西尾城の櫓や鍮石門、旧近衛邸が復元され、抹茶ラボもある。城跡なのに茶の時間へ自然につながる構成が意外だった。
- 尚古荘は昭和初期の米穀商が築いた京風庭園で、枯山水や茶室「不言庵」が残る。城のすぐそばで、視線だけが静かに遠くへ逃げていく。
- 明治4年の旧西尾郵便局で営業するカテキン堂は、西尾抹茶を練り込んだ大判焼きが名物。緑のポストまであり、最後に小さな遊び心を見つけた。