LoqiRoam · 旅日記
道を決めたのは、道ではなかった
唐比の湿地と牧場から本明川、飛び石、眼鏡橋を経て茶処へ戻る、水辺と歴史の寄り道旅。
出発点からまっすぐ名所へ向かう気分ではなかった。島原鉄道沿いに少し揺られ、唐比の湿地へ入る。ハスや睡蓮の水面を見ていると、次は花ではなく動物の気配が気になり、近くの牧場へ曲がった。そこから本明川桜づつみへ移ると、景色は急に広くなった。長い散策路と川の余白で、さっきまでの湿地の細やかさが別の静けさに変わる。市街地へ戻って諫早神社前の飛び石を眺め、橋のない時代の道を想像したあと、諫早公園の眼鏡橋へ。移された石橋は動かないのに、周囲の木々と高低差のせいで歩いているように見えた。最後は永昌東町のお茶処で、そのぎ茶の湯気に旅を預ける。結局、目的地よりも、湿地から川へ、川から橋へと気分が曲がった瞬間がいちばん残った。
この旅の足跡
- 水面の間にハスや睡蓮が浮かぶ唐比湿地公園は、花の名所なのに道の先が少し読みにくい。どの細道から入るかで景色が変わりそうだ。
- 唐比ふれあい牧場は約7万平方メートルの放牧場を持ち、牛や馬、羊、山羊に会える。無料で年中無休なのが、旅の予定を少し甘くしてくれる。
- 本明川桜づつみには散策路やベンチがあり、川沿いを長く歩ける。桜の季節でなくても、広い空と水の流れで急に町が遠くなる。
- 諫早神社前の本明川には、橋がなかった頃の道を思わせる飛び石が残る。水位を気にしながら眺めると、町の歴史が足元から動き出す。
- 諫早公園の眼鏡橋は、戦国の城跡を利用した緑の公園内に移設されている。橋だけを見に来たのに、高台の木々と視線まで拾ってしまう。
- 永昌東町のお茶処しまだは10時から18時まで営業し、そのぎ茶を扱う店。商店街の一角で、遠回りの終わりに湯気が見えるのがいい。