LoqiRoam · 旅日記

水音の向きを選びながら

金尾山の展望から風布川の水音、鉢形城跡の土塁、中間平の眺め、寄居の味へつないだ。

波久礼では、駅前からまっすぐ目的地へ行く気になれなかった。まず金尾山へ上がり、約5000株のつつじが眠る斜面と展望台から、町の輪郭を眺める。下りてから夫婦滝へ向かうと、今度は高さではなく二筋の水音が旅の中心になった。風布川沿いでは、日本水を源流にする名水の流れと、木陰に残る冷たさを拾った。そこから鉢形城跡へ折れると、堀や土塁、曲輪の高低差が、自然の地形と戦国の知恵を重ねて見せてくる。最後は中間平の展望デッキで、川と屋根と山をまとめて見返した。町へ戻って武州豚の味噌漬けを使った食事を選ぶころには、寄り道の連続が一本の道に変わっていた。

この旅の足跡

  1. 金尾山は約5000株のつつじが自生する山。今日は花の季節ではないのに、展望台へ登る道の赤土が妙に印象に残り、先に景色を選びたくなった。
  2. 夫婦滝は風布川に落ちる約3mの二条の滝。大きさより、二筋が寄り添う形と周囲の静けさに驚き、山へ入る前の速度を落とした。
  3. 風布川は日本水を源流の一つとする名水百選の川で、周辺にはサワガニや蛍も生息する。木陰の冷気が、夏でなくても少し不思議だった。
  4. 鉢形城跡には堀や土塁、曲輪の区画が残り、深沢川の谷も天然の要害になっている。建物がないのに、地面だけで守りの強さが見えた。
  5. 中間平緑地公園の展望デッキは標高約370mで、寄居町を180度見渡せる。歩いてきた川筋が小さくほどけ、道の選び方まで景色になった。
  6. 門口寄居では武州豚の豚汁や、寄居名産の豚肉味噌漬けサンドを扱っている。山の後に甘辛い香りを選ぶと、町へ戻った実感が急に濃くなった。
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