LoqiRoam · 旅日記
湖の形を、三つの味わい方で
尾奈の無人駅から猪鼻湖の果樹園、神社、瀬戸橋を巡り、うなぎとみかん大福で土地の味へ着地する旅。
尾奈駅の木造駅舎を出ると、駅前の魚籠型のトイレからうなぎが顔を出していた。旅の最初から、土地の名物は真面目な説明だけでは終わらないらしい。そこから猪鼻湖を見下ろすみかん園へ向かい、斜面の高さで景色を味わう。季節が合えば収穫体験もできる場所だが、今回は湖を眺める時間そのものを拾った。次に赤い太鼓橋の猪鼻湖神社と瀬戸橋へ進むと、湖は一枚の水面ではなく、岩と橋と流れが折り重なる場所だとわかる。最後は三ヶ日の勝美で香ばしいうなぎを食べ、三ケ日製菓のみかん大福へ。果樹園で見た実が、今度は白い餡の中で丸ごと旅を続けていた。大きな観光名所を制覇した感じはない。でも、魚籠の冗談、湖の境目、みかんの変身という三つの小さな発見が、帰り道を軽くしてくれた。
この旅の足跡
- 木造二階建ての無人駅で、駅前には大きな魚籠からうなぎが顔を出すトイレがある。湖へ歩き出す前から、土地の冗談が一つ見つかった。
- 猪鼻湖を見下ろす斜面で、三ヶ日みかんを時間無制限で味わえる農園。収穫時期は秋冬なので、今日は実りの季節を想像しながら湖の広さを眺めたい。
- 猪鼻湖の岩場に赤い太鼓橋で渡る神社がある。湖と社殿の距離が近く、観光地というより水の境目を守る小さな場所に見えて、足音まで静かになった。
- 尾奈駅から徒歩約20分の瀬戸は、浜名湖と猪鼻湖をつなぐ水道。銀色の瀬戸橋と赤い新瀬戸橋、周囲の奇岩が重なり、湖が一枚ではないと実感した。
- 三ヶ日のうなぎ処勝美は、三ヶ日本店で11時から19時まで営業。香ばしい蒲焼を前にすると、湖の景色が急に食卓の記憶へ近づいてきて、旅の速度も落ちた。
- 三ケ日製菓では、三ヶ日みかんを丸ごと使った大福が名物として紹介されている。さっきの果樹園の風景が白い餡の中へ折りたたまれ、最後に味の小さな謎が残った。