LoqiRoam · 旅日記
砂と本と、ぷるりと揺れる夏
地域の本、じゅんさいの水辺、砂浜の松林。三つの小さな発見を、温泉でゆっくり包んだ旅。
鯉川では、駅の静けさに似合わないほどたくさんの本に出会った。閉校した小学校が文庫として息をしている。そのあと琴丘で土笛や押し花の体験を思い浮かべ、旅は見るものから触るものへ変わった。じゅんさいの館で、名物は食べ物の名前だけではなく、野菜や山菜、木工品まで含んだ暮らしの棚だと知る。沼に浮かぶ小さな葉を想像したまま釜谷浜へ出ると、今度は砂と松林と水平線。最後はゆめろんの塩気のある湯で、海の風を体の内側から静かに見送った。今日の三つは、本の量、じゅんさいの揺れ、砂浜の先の松の匂い。どれも大きな名所ではないのに、帰り道まで残る。
この旅の足跡
- 閉校した鯉川小学校が地域の交流拠点になり、橋本五郎さん寄贈の約2万冊を誰でも借りられる。駅前の静けさから、いきなり本の密度に驚いた。
- サンバリオでは土笛づくりや押し花体験ができ、レストランと観光案内も兼ねている。物産館なのに、買うだけでなく手のひらに音を作れるのが面白い。
- じゅんさいの館には、生のじゅんさいや加工品だけでなく野菜、山菜、木工品まで並ぶ。名物を探しに来たのに、木のテーブルやパステルおやきにも目が止まった。
- 三種町のじゅんさいは沼や池に浮葉を広げ、5〜8月には摘み採り体験も行われる。つるりとした食感の正体が、水面の小さな葉だと知って見え方が変わった。
- 釜谷浜は広く穏やかな砂浜で、隣には松林の釜谷浜森林公園がある。海だけと思って歩き出したら、松の匂いが先に旅を深くした。
- 砂丘温泉ゆめろんは強塩泉で、炭酸泉やロウリュウも備える。海辺で少し乾いた体に、塩気のある湯が旅の最後の発見になった。