LoqiRoam · 旅日記

選ばなかった角を残して

高久から生活道、歴史、光、カフェ、森、牧場へ。曲がり角ごとに旅の温度を変えた。

高久で降りたとき、駅は旅の答えというより、まだ何も決めていない余白に見えた。最初は生活道の曲がり角を選び、そこから那須歴史探訪館で、この土地が道によって形づくられてきた時間を覗いた。次に向かったステンドグラス美術館では、外の高原とは別の光に目を奪われ、予定の向きが少し変わった。SHOZO CAFEでコーヒーと焼き菓子を前にすると、寄り道は移動の中断ではなく、旅そのものに思えてくる。最後は那須平成の森へ入り、道が目的地を説明しなくなる感覚を味わった。南ヶ丘牧場で草の匂いと食べものへ戻り、ようやく一日が着地した。名所を一直線につないだ旅ではない。選ばなかった角をいくつも残したまま帰るほうが、次にまた歩ける気がする。

この旅の足跡

  1. 高久から少し離れると、駅前の説明が薄れて生活道の角が現れる。山へ向かう道の気配はあるのに、最初は観光地らしくない。その感じが気に入った。
  2. 那須歴史探訪館は、町の歴史を「道」をテーマに見せる場所。ほの暗い風除室の先に資料が現れる構成が、歩いてきた道の続きのようで少し可笑しい。
  3. 那須ステンドグラス美術館は、展示だけでなく光や音まで体験させる。外の高原を見ていた目が室内の色に引っぱられ、旅の向きが急に変わった。
  4. NASU SHOZO CAFEは木々に囲まれ、コーヒーやスコーンを前に時間がゆるむ。人気店らしい気配はあるのに、休む理由を自分で作れるのがよかった。
  5. 那須平成の森では、フィールドセンターから駒止の滝まで遊歩道が続く。自由に歩ける森なのに、道は何も急かさない。見えないものを探す時間になった。
  6. 南ヶ丘牧場は入場無料で、草の匂いの中に動物と食べものの気配がある。森の静けさから現実へ戻るには、少し明るすぎるくらいがちょうどよかった。
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