LoqiRoam · 旅日記

川が海へ逃げる前に

由良海岸と河口の水辺から宮津の寺町へ移り、伝承・商家・教会建築をつなぐ旅。

丹後由良を出ると、まず海へ向かった。由良海岸は砂浜だけで完結せず、由良川の河口へ視線が流れている。奈具海岸寄りの岩には安寿姫の塩汲みの伝承があり、波打ち際に昔話の手触りが残っていた。そこから河口まで進むと、川と海の境目は思ったより曖昧で、風の向きだけが道を決めているようだった。気まぐれに宮津へ移動し、今度は寺町の細い路地へ入る。寺院の壁、古い商家の白壁、そして最後に明治の教会堂。水辺から町へ、古い信仰から新しい建築へ、旅の景色が静かに何度も曲がった。

この旅の足跡

  1. 砂浜の向こうに由良川の河口が見える由良海岸。駅から歩ける距離なのに、海水浴場というより川へほどける縁側に見えた。
  2. 奈具海岸寄りの大きな岩は、安寿姫が塩水を汲んだ場所と伝わる。伝説を知って見ると、ただの岩なのに手仕事の重さが急に近くなった。
  3. 由良川河口では、宮津市由良と舞鶴市西神崎の浜堤が向かい合う。川なのに水平線へ開いていて、境目を決める気が失せた。
  4. 宮津の寺町は細い路地に寺院と古い文化建築が続く。曲がるたびに観光地というより、暮らしの背後をそっと歩いている感じがした。
  5. 旧三上家住宅は1783年築の商家で、白壁の外観と酒造・廻船業の記憶を残す。門を見ただけで宮津の港が奥へ広がった。
  6. 宮津カトリック教会の聖ヨハネ天主堂は明治期の教会堂。寺町の余韻の先で洋風の輪郭に出会い、町の時間が一つではないと気づいた。
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