LoqiRoam · 旅日記

湯気から木の床まで

湯気の入口から只見川、天然炭酸水、からむしの手仕事、草地、木造校舎へ。光の変化を身体、味、手触り、室内の順に拾った。

会津大塩の近くで、まず大塩温泉の湯気に立ち止まった。山の冷たさをほどいてから、只見川の谷へ向かう。会津川口駅では列車を待つ人の代わりに雲の影を眺め、川と斜面の色が少しずつ変わるのを見た。大塩天然炭酸場では泡のある水を口に含み、風景を目で見るだけでは足りないと気づく。からむし工芸博物館で道具と細い繊維に目を凝らしたあとは、道の駅の草地で影が移るのを待った。最後に喰丸小へ入ると、大イチョウの気配と木造校舎の斜めの光が残っていた。遠くへ来たというより、同じ光が湯気、水、糸、校舎へ姿を変えていく道を歩いた。

この旅の足跡

  1. 大塩温泉は只見川の左岸にある炭酸水素温泉。湯気の向こうに川の白さが浮かび、山の冷たさをほどいて歩き出す理由になった。
  2. 会津川口駅では、只見川と山の斜面が近くに重なる。列車を待つあいだ、雲が動くたび谷の色まで変わるように見えた。
  3. 大塩天然炭酸場の水は、春にかけて湧出量が増える微炭酸の軟水。少し口に含むと、山の風景が舌の上で細かく弾けた。
  4. からむし工芸博物館には、苧麻の繊維と道具の時間が積み重なっている。細い糸を見つめると、手仕事は時間そのものを編むのかと思った。
  5. 道の駅からむし織の里しょうわは9時から17時まで開く。物産の気配から少し離れて草地を見ると、雲の影がゆっくり横切った。
  6. 喰丸小は旧小学校を活用した交流拠点で、大イチョウのそばに木造校舎が立つ。室内の斜めの光に、誰もいない授業の続きが見えた。
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