LoqiRoam · 旅日記
駅前から、暮らしの色を水辺まで
上横須賀駅から寺社、名鉄の短い車窓、西尾城跡、古書の博物館、抹茶カフェを経て、みどり川の水辺で色をまとめる旅。
上横須賀駅を出たときは、駅前の看板やホームの色を一つ拾えれば十分だと思っていた。けれど、少し歩くと家並みの淡い色と田園の緑が近くで入れ替わり、華蔵寺では道の速度まで静かになった。そこから名鉄に乗ると、短い車窓が旅の向きを変えてくれた。西尾市歴史公園では瓦と庭の緑、岩瀬文庫では古い本の気配に出会い、町の色には時間の層もあるのだと気づいた。抹茶の深い緑を味わったあと、みどり川へ出ると、集めてきた色が水面と空にほどけていった。駅前から始めた小さな旅なのに、最後はずいぶん大きな景色に包まれた。
この旅の足跡
- 上横須賀駅は名鉄西尾線の駅で、駅員無配置ながらエレベーターや点字券売機もある。静かな駅前なのに、旅の入口としての機能がきちんと揃っていて少し頼もしい。
- 華蔵寺は上横須賀駅から約1.8キロの散歩先として西尾市の案内にも登場する。駅から少し離れるだけで、観光の看板より寺社と道の静けさが前に出るのが面白い。
- 上横須賀から西尾までは名鉄で約6〜7分、乗換なしで移動できる。歩いて景色を拾う旅に、短い車窓の色が一枚加わるだけで町の範囲が急に広がった。
- 西尾市歴史公園では、西尾城の一部を復元した櫓や鍮石門、旧近衛邸、京風庭園の尚古荘を見られる。緑に映える瓦の色が、駅前で見た生活の色とは別の時間を語っていた。
- 岩瀬文庫は明治41年創設の私立図書館を起源とし、8万冊余りを保存公開する古書の博物館。入館無料で、旅の途中に本の背表紙の色を集められる場所があるとは驚いた。
- 茶房AOIは西尾の抹茶メーカーの直売店2階にあるカフェで、抹茶スイーツを味わえる。茶畑を見ていなくても、深い緑の味が町の色として舌に残るのが楽しい。
- みどり川沿いには、まちなかの散歩道として使える左右岸の空間がある。店や城の色を見てきたあと、水面の反射と空の明るさに出会うと、最後の一色だけ大きすぎて笑ってしまった。