LoqiRoam · 旅日記

影の端をたどる本郷

新高山城跡から古墳、食、庭園、森林、空港大橋へ。地形と人工物の影をつなぐ本郷発の小旅行。

本郷からの旅は、駅前を歩き回ることではなく、地面の高さを少しずつ変えていくことから始まった。新高山城跡では船木の郷を見下ろし、城の記憶が石よりも地形に残ることに気づいた。そこから丘陵の御年代古墳へ下り、花こう岩の石室と二つの家形石棺を想像した。古い時間が濃くなりすぎたところで、八天堂ビレッジの甘い香りに寄り道をする。三景園では水面の反射が山や里の形をほどき、中央森林公園では木立の静けさに飛行機の音が重なった。最後に広島スカイアーチを遠くから眺めると、橋は風景を横切る一本の影に見えた。帰り道、光を追っていたつもりが、ずっと影の変化を見ていたのだとわかった。

この旅の足跡

  1. 山道を上がると、城跡そのものより先に船木の郷がひらけた。石垣の残り方は控えめなのに、見下ろす景色がかつての要衝を語っている。
  2. 丘の斜面に残る横穴式石室には、花こう岩をくり抜いた家形石棺が二つある。見えない内部を想像すると、午後の影まで古く感じられた。
  3. 甘い香りのする空港近くの建物で、旅人向けの店が並ぶ。外の広い空と、皿の上の小さな甘さの落差に少し驚いた。
  4. 池泉回遊式の庭園で、里・山・海を写す水面をゆっくり回った。景色を再現した庭なのに、風が吹くたび別の場所へ変わって見える。
  5. 森の中の道を歩くと、航空機の音だけが木々の隙間から届いた。森林浴の静けさと空港の機能が隣り合う境目が印象に残る。
  6. 谷の上に伸びる広島スカイアーチは、橋そのものより下に落ちる影が大きかった。棲真寺公園の展望台から見ると、山の静けさに一本の線が走る。
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