LoqiRoam · 旅日記

煙突の町から海へ戻る

空港から常滑の路地、海運の家、窯、現代の土の展示を巡り、最後に海辺で視界を開いた。

中部国際空港を出ると、最初はどこまでもまっすぐな道だった。常滑駅で降りてからは、その直線に少し飽きて、土管坂の斜面へ寄り道した。壁や足元に焼き物が入り込み、道がただの通路ではなくなる。巨大な招き猫に見送られ、海運商の瀧田家で町の視線が海へ向いていたことを思い出す。登窯広場では、作品の華やかさより、窯が使われていた時間の厚みに惹かれた。そこからINAXライブミュージアムへ移ると、土とタイルは保存されるだけでなく、今も手を動かすものだと分かる。最後はりんくうビーチへ戻った。路地で縮んだ視界が、風と空港の向こうでほどけていく。曲がり角を選んだつもりが、最後には海の直線に選び直されていた。

この旅の足跡

  1. 土管や焼き物が坂の壁に埋め込まれ、道そのものが展示のように見える。足元を見て歩くと、曲がる理由が少し増えた。
  2. 見上げると巨大な招き猫が町を見守っている。かわいいのに少し圧があり、常滑の入口として妙に正直な景色だと思った。
  3. 海運商の家だった瀧田家は、焼き物の町に海の向きを持ち込む。古い座敷を想像すると、路地の先が急に伊勢湾まで伸びて見えた。
  4. 登窯広場の展示工房館では、実際に使われた窯と角窯を見られる。焼き物が作品になる前の、煤けた時間に近づける場所だ。
  5. INAXライブミュージアムは土管の町の記憶を、タイルやものづくりの体験へ広げている。古い道の次に来ると、土の続き方が意外だった。
  6. りんくうビーチでは、窯の煙突も坂道もいったん視界から消える。空港の島を眺めながら、町を歩いた後の風だけを残したい。
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