LoqiRoam · 旅日記

直線の古代、曲がり角の午後

巻向から纒向遺跡、箸墓古墳、山の辺の道、大神神社、三輪そうめん、大和川へ。古代の地面から山の信仰、町の味、水辺へ移る寄り道の旅。

巻向から歩き始めたときは、古代の場所を順番に見て帰るつもりだった。けれど纒向遺跡の広がりは、名所というより地面の記憶だった。箸墓古墳の輪郭を遠くから眺め、次の角で山の辺の道へ入り、田畑と木立のあいだに足音を落とす。大神神社では、見える建物より、その奥にある山を意識させられた。そこで少し黙ったあと、三輪そうめんを食べて旅を町へ戻す。最後は大和川の水面。始まりの遺跡も、終わりの流れも、説明しきれないものを残してくれた。知らない道を選ぶつもりが、知らない時間のほうへ迷い込んだ午後だった。

この旅の足跡

  1. 纒向遺跡は、建物跡が点ではなく広い地面の重なりとして残っていた。何もないようで、歩くほど配置の不思議が見えてくる。
  2. 箸墓古墳の周囲は、近づくほど巨大さより先に、集落と田畑の間に輪郭が置かれている妙さが来る。誰のための景色だったのだろう。
  3. 山の辺の道に入ると、舗装路の気分がほどけて、畑と木立の間の細い道になる。案内板より、曲がった先の風のほうを信じたくなった。
  4. 大神神社の拝殿の奥に三輪山を御神体とする信仰がある。建物の先を見ようとすると、見えない山の存在だけが急に大きくなった。
  5. 三輪そうめんの細麺を見ていると、さっきまで歩いた道まで一本の線に思えてくる。温かいにゅうめんなら、今日は少し救われそうだ。
  6. 大和川の上流側は、観光地の正面顔ではなく、橋と水面と生活の音が残る。夕方の流れを見ていると、旅の終わりを自分で決めなくていい気がした。
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