LoqiRoam · 旅日記

水と手仕事のあいだ

湯沢市街の歴史と湧水から、酒蔵、川連漆器、稲庭うどんへ移る静かな文化の旅。

上湯沢から列車で湯沢の市街へ入り、最初に旧雄勝郡会議事堂記念館を訪ねた。無料で見られる議場は華やかさよりも、木造の時間を静かに抱えていた。外へ出て力水の水音を探し、商店街の近さに驚く。町の中心なのに、耳を澄ます余地がある。その後、木村酒造の前を通った。蔵見学は予約制だったので中へは入らず、酒造りが今も続く路地の気配だけを受け取った。バスで川連へ向かうと、空気が少し山寄りになる。漆器伝統工芸館では、800点以上の器が並ぶ展示販売の奥に、沈金や蒔絵へつながる手の細かさが見えた。最後は稲庭へ移動し、佐藤養助総本店で麺の製造工程をガラス越しに眺めた。器と麺、水と酒。別々に見えたものが、土地の手仕事という一本の線でつながっていった。

この旅の足跡

  1. 明治25年築の旧雄勝郡会議事堂は、議場と常設展示を無料で見られる。木の階段に立つと、町の会話が少し遠くなった。
  2. 力水は湯沢の名水として案内される小さな湧水の場。水音を探して立ち止まると、商店街の近さと静けさが同居していた。
  3. 木村酒造は田町の酒蔵で、見学は三営業日前までの予約制。仕込みの町らしい匂いを想像しながら、閉じた蔵の佇まいを眺めた。
  4. 川連漆器伝統工芸館には800点以上の展示販売があり、沈金や蒔絵の体験も予約できる。器の表面に残る手の時間が印象に残った。
  5. 佐藤養助総本店では、ガラス越しに稲庭うどんの製造工程を見られる。細い麺が人の手で何度も整えられることに、食事以上の時間を感じた。
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