LoqiRoam · 旅日記
鬼面川から城下へ、六つの寄り道
成島八幡神社と鬼面川から、食堂と駅を経て米沢城下・上杉家廟所へ移る旅。
成島から始めると、最初に目に入るのは駅そのものではなく、鬼面川とその西岸の高台だった。成島八幡神社へ向かう道を選ぶと、地名がただのラベルではなく、古い鎮守と水辺を含んだ地形に変わっていく。川岸へ下り、住宅地のまるふじ食堂で中華そばの気配に引かれたところで、旅は観光から生活へ一度折れた。そこから西米沢駅を継ぎ目にして城下へ移動。松が岬公園と上杉神社では堀と社殿が歴史を大きく見せるのに、最後の上杉家廟所では木立と廟の列が声を低くさせた。名所を直線でつないだ旅ではない。高台、水面、湯気、列車、堀、木立。曲がるたび、米沢の別の表情が少しずつ現れた。
この旅の足跡
- 鬼面川西岸の高台に、成島八幡神社がひっそり立っていた。古い由緒を知るほど、駅からここまでの道が急に長い時間を帯びて見える。
- 川岸へ下りると、さっきまでの高台の静けさが水面の低さに置き換わる。鬼面川は名の強さほど荒々しくなく、むしろ道をゆっくり曲げていた。
- まるふじ食堂は成島町の住宅地にあり、中華そばを目当てにする理由がちゃんとある店だった。名所ではないのに、旅の腹時計には妙に正確だ。
- 西米沢駅は大きな玄関ではなく、町の端に置かれた小さな継ぎ目のようだった。ここで歩き続けるか列車に乗るか、曲がり角より迷う。
- 松が岬公園では堀の水が城跡の輪郭をまだ手放していない。上杉神社の社殿へ向かう道は整っているのに、角を曲がるたび昔の城内を想像させる。
- 上杉家廟所は、祭りの名残を想像する城跡とは別の静けさだった。歴代藩主の廟が木立の奥に整然と並び、歩き終わりの音まで小さくなる。