LoqiRoam · 旅日記

水の音が残る南阿蘇

中松から道の駅、水源、湧水トンネル、神社を経て高森駅へ戻り、水と暮らしのつながりをたどった。

中松から始めた旅は、駅前の静けさを基準にゆっくり南へ向かった。道の駅では阿蘇五岳の大きさを眺めながら、芝生の向こうにある水車の音を拾った。そこから白川水源へ進むと、毎分およそ60トンという数字では捉えきれない、底から絶えず動く水の気配があった。高森湧水トンネルでは、工事の途中で現れた水が人工の暗がりを生かしていることに驚いた。最後は杉林の石灯籠を抜け、穿戸岩の前で立ち止まった。自然、工事、信仰が別々にあるのではなく、水を中心に少しずつつながっている。高森駅へ戻るころ、列車の音が旅の終わりを告げるというより、土地の日常へ静かに戻してくれた。

この旅の足跡

  1. 中松駅は南阿蘇鉄道高森線の駅で、周囲に大きな施設を置かない静かな起点だった。列車を待つ時間そのものが、旅の速度を決めるように感じた。
  2. あそ望の郷くぎのには阿蘇五岳を望む芝生広場、水車小屋、古代の泉、物産館がまとまっている。観光施設なのに、水車の音だけが先に耳へ届いた。
  3. 白川水源は清流白川の総水源で、湧水量は毎分およそ60トンと案内されている。水面は騒がしくないのに、底から絶えず景色を動かしていた。
  4. 高森湧水トンネル公園は、工事中の大量出水をきっかけに残った全長2055メートルのトンネルを公開している。暗がりの奥で、人工物が水源に変わっていた。
  5. 上色見熊野座神社の杉林には約100基の灯籠が並び、社殿の背後には縦横10メートル以上の穿戸岩がある。石段を上るほど、観光地の声が薄れていった。
  6. 高森駅は南阿蘇鉄道の終着駅で、観光案内や荷物預かりの機能も持つ。山から戻った列車の音が、町の小さな日常をそっとつないでいた。
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