LoqiRoam · 旅日記
相模原、角を曲がるたびに
駅ビルの文化から博物館、公園の水と木立、旧石器の遺跡へ。相模原を異なる尺度の寄り道でたどった。
相模原に着いたとき、駅前の広い動線はどこへでも連れていってくれそうだった。だから最初に、少しだけ反対のことをした。駅ビルの中にある市民ギャラリーへ入り、買い物の延長に地域の絵や写真が置かれている不思議な近さを眺める。そこから博物館へ向かうと、暮らしの道具や自然の展示が天文や宇宙の話へつながり、街の尺度が急に大きくなった。大きくなりすぎた視界をいったん鹿沼公園の池で冷まし、木立の間を歩く。次に選んだ道保川公園では、景色より先に水音が現れた。最後は相模川に近い田名向原遺跡公園へ。旧石器の住居状遺構、縄文の竪穴、古墳時代の小円墳が並ぶ場所で、さっきまでの街路も誰かの長い滞在の上にあるのだと思い直す。名所を一直線に集める旅ではなかったが、角を曲がるたびに相模原の時間が一枚ずつめくれた。
この旅の足跡
- 駅ビルの4階に、地域の絵画や写真、書展を受け止める市民ギャラリーがある。買い物の途中に文化の入口が現れる配置が少し意外で、今日はここから街の読み方を変えてみたくなった。
- 自然・歴史展示に加えて天文展示とプラネタリウムまで備え、向かいの宇宙科学研究所ともつながる博物館。地面の暮らしから宇宙へ、曲がり角ひとつで尺度が変わる。
- 淵野辺駅南口から徒歩3分の鹿沼公園は、駅前なのに池と木立が旅の速度を落としてくれる。便利さのすぐ隣に、ぼんやりする理由が用意されているのが面白い。
- 道保川公園は湧水と横山丘陵の自然を守る都市緑地で、散策路には水と木々の音が重なる。名所を見に来たつもりが、音を聴くための場所だったと気づいた。
- 田名向原遺跡公園では、旧石器時代の住居状遺構や縄文の竪穴住居、古墳時代の小円墳が野外展示されている。相模原の現在の道が、急に何万年も前へ開く。